季節のくらし

汚れや汗、雑菌が増える季節に 気になる「夏のにおい」徹底対策

1.においが発生しやすい場所

暑い季節は要注意! においが発生しやすい場所

夏になると「部屋のどこかから嫌なにおいがただよってくる」という経験はありませんか? 湿気や気温が高くなり、雑菌が繁殖したり、カビが増えるのが原因です。やみくもに掃除する前に、家庭の中でにおいが発生しがちな場所を狙いましょう。家事代行のベアーズ取締役副社長で家事研究家の髙橋ゆきさんにお伺いしました。
髙橋ゆきさん
株式会社ベアーズ
髙橋ゆきさん
プロフィール
髙橋ゆきさん

プロフィール

株式会社ベアーズ
髙橋ゆきさん
家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。また、お掃除を、生活の知恵を伝える場であり、親子とのコミュニケーションの場でもあるとして、親子や夫婦で楽しめる家事コミュニケーションを提唱。 2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。 2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務めた。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。
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におい発生NO.1はキッチン 見落としがちな台ふきん、まな板にも注意

家のにおいと聞くと、トイレを想起する人が多いかもしれません。ところが、この時期に注意したいのはキッチン。特に気をつけたいのは次の5箇所だそう。

1. 排水口や三角コーナー

こちらはピンとくる人も多いでしょう。ぬめりが発生しやすく、嫌なにおいの原因になりやすいのです。

2. ゴミ箱

ゴミ箱の中身はもちろん、実はゴミ箱自体にも汚れやにおいが……。定期的にお掃除することが大切。

3. 台ふきん

使った後にササッと水で流すだけでは、雑菌が残ったまま。そのままでは雑菌が繁殖してしまい、においの原因に。

4. まな板

生ものを扱ったあとなどはキレイに掃除をしておかないと、雑菌の温床に。包丁の跡(溝)に菌が入り込んでしまいます。

5. 食器棚

食器に水気が残ったまま食器棚にしまうと、そこから菌やカビが増えてにおいの原因になることも。

トイレや玄関にも要注意!

玄関も、この季節はにおいやすいので気をつけましょう。気温と湿気で、靴の中にも湿気がたくさん……。適度な掃除と日頃のケアが大切です。

もちろん、トイレも要注意! 特に男性が用を足した後には、四方八方に尿が飛び散っており、そこからにおいが発生してしまいます。

続いてそれぞれの場所のにおい対策を紹介します。

2.においの代表格はキッチン

においの代表格はキッチン。しっかりお掃除して快適に

主婦にとって生活の中心とも言えるキッチンはもっともにおいが発生しやすい場所。いつも気持ちよく過ごせるよう、においの元を絶ちましょう。

シンク周りは重曹や塩、酢を活用

水回りには、においのもとがたくさん。まずは三角コーナーや排水口から綺麗にしましょう。家庭用手袋をはめ、塩素系泡漂白剤を三角コーナーやストレーナーにまんべんなく噴射。ビニール袋に入れて少しの水を入れたら口を縛ってシェイク! 数分おいた後洗い落とします。詳しくはこちらのリンク先を参照してください。

まな板は、プラスティックと木製のもので方法が異なります。
プラスティックなどの樹脂製には、重曹を使いましょう。重曹の効果には、研磨、消臭、油汚れの除去、漂白などがあります。
重曹ペースト(重曹6:水4くらい)を作ってまな板に置き、スポンジの柔らかい面で優しく全体に伸ばし、洗い流します。においや汚れの付き具合によってある程度時間を置いてもOK。

木製のまな板には、重曹の代わりにあら塩を使います。塩にも、消臭効果があるので、ペーストにしてまな板の上に置き、たわしでゴシゴシとこすります。包丁の跡が付いているなら、その跡に沿って掻き出すようなイメージで。その後洗い流しましょう。

台ふきんは、酢を活用します。酢は殺菌効果があるうえ、ぬめりを取るのに最適です。酢と水が1:9になるくらいの酢水を作り、その中に台ふきんを一晩漬けておきます。においの程度によっては、4:6くらいでも大丈夫。繊維を傷めないので安心。

漬けた後は、流水で洗い流せばOK。酢のにおいも残りません。

ごみ箱は設置面にも注意! 食器棚は乾燥させることが大切

ごみ箱からのにおいも気になりますね。実は、ごみ箱自体がにおいの元だったり、置いてある場所に汚れやカビが溜まっていることもあります。ゴミを捨てたタイミングで、ごみ箱とその周りも綺麗にしましょう。

ここでも重曹が活躍。重曹と水が1:9くらいの重曹水を作り、雑巾に吹きかけてから拭きます。重曹水は乾いた後に白浮きしやすいので、ごみ箱や、設置面を拭いたら、入念に水拭きをしましょう。

食器棚は、水気を残したまま食器をしまっているのがにおいの原因。雑菌が増えたり、カビが発生しています。食器の水気をしっかり取り除いてからしまうように注意し、来客のないときには戸を少し開けておくのがよいでしょう。引き戸の食器棚なら、両端を2cmくらいずつ開けておけば空気の通り道ができ、乾燥しやすくなります。戸を開けっ放しにできない時は、除湿剤などを活用しましょう。

生ゴミのにおい対策には「脱臭炭 ニオイとり紙」を

夏は雑菌が繁殖しやすく、生ゴミなどからすぐににおいが発生してしまいます。炭を配合したロール紙タイプの脱臭剤「脱臭炭 ニオイとり紙」なら、生ゴミを包んだり、ごみ箱の上にかぶせるだけで強力ににおいを吸着。丸めたり、包んだり、かぶせたりと自由に使える上に、生ゴミの水分なども取ってくれる便利なアイテムです。

3.玄関やトイレもスッキリと

玄関やトイレのにおいは、掃除や普段の心がけでスッキリと

玄関も湿気が多く、においがこもりがちな場所。また、やはりトイレのにおいは気になるもの。トイレには、飛び散った尿のにおいが染みついている可能性が高いのです。

玄関や靴のにおい対策には脱臭剤や消臭グッズを

玄関や下駄箱に充満したにおいは、拭き掃除で取りましょう。まず、すべての靴を外に出しましょう。スプレー式ボトルに消毒用エタノールを半分ほど入れ、エッセンシャルオイルを20滴ほど入れます。雑巾にスプレーしてから、下駄箱の中を拭きます。

乾いたことを確認してから、靴を戻しましょう。できれば、普段から少し開けて乾燥させておくか、「備長炭ドライペット 下駄箱用」を。下駄箱の湿気を取り、脱臭効果もあります。

におわないようにするためには、普段の心がけも大切。一度履いた靴は汗を吸収しているため、靴を脱いですぐ下駄箱にしまうのではなく、一晩置いて、朝しまうようにしましょう。その際、足の裏も少し浮かせておくと湿気が逃げやすくなります。また、靴のにおいが気になる時は、「脱臭炭 ニオイとり紙」がおすすめ。炭の力で強力ににおいを吸着し、湿気まで取ってくれます。

トイレはマットやスリッパが盲点に!

トイレのにおいの正体は飛び散った尿が時間をおいて発生するしみつき臭。便器ばかり気にしてしまいがちですが、実は小物類ににおいが染みついていることも多いもの。トイレマットやスリッパ、手を拭くタオルなどをこまめに洗濯しましょう。においが付着する前に、こまめに洗うのがポイント。2つ以上スペアを持っておき、週に1度はすべて取り替えて洗いましょう。

マットを使っていないお宅などは、床にもにおいが染みついているはず。ここにもエッセンシャルオイルを入れた消毒用エタノールを使います。

便器のふち裏などには、家庭用手袋(ゴム手袋・ビニール手袋)の上に要らない軍手をはめる「軍手ぞうきん」がおすすめ。目に見えない内側までしっかり力を入れて掃除できます。「軍手ぞうきん」は、普段からブラインドやエアコンのルーバー、観葉植物の葉など、さまざまなところに使えます。使い倒して捨てる直前に、トイレに使うとよいでしょう。

便器や床掃除の詳しい手順は、こちらのリンクを参考に。

トイレはよく掃除したつもりでも、においがしみついてしまいがち。そんなときにはしみつき臭に効果的な消臭剤などを利用するとよいでしょう。

トイレのしみついた尿のにおいには専用の消臭剤で対策

掃除をしても取り切れないしみついた尿のにおいには、「消臭力 トイレ用 CLEAR KEEP」がおすすめ。アンモニアに効果的なクエン酸を配合しているため、尿のとびちりが原因で発生し続けるしみつき臭を強力に消臭してくれます。

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