季節のくらし

冷蔵庫のかんたん大掃除&整理収納のテクニック

1.掃除の前の準備

クリスマスやお正月、食品をしまうのに冷蔵庫が大活躍します。それまでには、冷蔵庫をすっきりきれいにしておきたいもの。においにも配慮しつつ効率よく冷蔵庫を大掃除する方法、さらに、すぐに散らかってしまわないよう使いやすくスッキリ収納できる整理術を、掃除コンサルタントの高橋和子さんにお聞きしました。
高橋和子さん
フェリシアラボ代表
高橋和子さん
プロフィール
高橋和子さん

プロフィール

フェリシアラボ代表
高橋和子さん
整理収納・家事代行・セミナー講師のフェリシアラボ代表。リカレント教育を推進する一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会 代表理事。ナチュラル掃除講座など多数開講。掃除のプロとしてメディア出演多数。掃除コンサルタント。
フェリシアラボHP http://felicia-lab.jp
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掃除の前に必要な道具を用意しておこう

冷蔵庫の拭き掃除に便利なのが酸素系漂白剤です。塩素系のようなにおいが付かず、環境にもよいと言われています。酸素系漂白剤が用意できなければ、食器用洗剤でもかまいません。
ほか、無水エタノール(無臭)、ビニール手袋、クロス(服の端切れでもOK)、古歯ブラシを用意します。冷凍庫を掃除する場合は、食品を入れておく保冷剤+保冷袋もあると便利ですよ。

手順①:冷蔵室、野菜室の中身を取り出し、パーツをはずす

準備ができたら、まずは冷蔵室、野菜室の掃除から。庫内の中身を全部出し、外せるパーツは全部外します。消費期限切れやもう食べないものなど、要らない食品は処分しましょう。
掃除するときは、冷蔵庫の電源を切った方が安全だと言われています。電源を切って掃除する場合、霜が取りやすくなるため、冷凍庫は最後にするのがおすすめです。

食品を整理・処分するポイント~食べない食品には理由がある~

消費期限が過ぎていたり、傷みのあるものだけでなく、開封してどれくらい経ったか分からない調味料や食材も、この際処分してしまいましょう。また、長い間使わずに冷蔵庫に眠っている食材は、使い方が分からない、好きではないなど、食べない理由があるはず。今後も出番はない可能性が高いので、処分する候補です。

手順②:外したパーツをつけ置きする

外したパーツは、いきなりゴシゴシ洗わず、つけ置きしておくと簡単に汚れが落ちます。シンクに栓をして、40度くらいのお湯を2Lためてください。栓がないシンクなら、ゴミ袋を何枚か重ねて敷いて、お湯がたまるようにします。

お湯の中に、酸素系漂白剤60g(または台所用洗剤50cc)ほどを入れます。これで漂白剤溶液を作り、外した棚やパーツを30分つけ置きます。手荒れを防ぐために、ビニール手袋を着けて作業してください。

2.拭き掃除のポイント

冷蔵庫のパーツをつけ置きしている間に、冷蔵室の中をきれいに拭いていきます。引き続き手順にそって、手早く終わらせましょう。

手順③:冷蔵庫の中を拭く

酸素系漂白剤をお湯に溶かした溶液をクロスに付け、「天井→側面→棚の下」と上から順番に拭いていきます。

クロスで上手に拭き取れないところは、古歯ブラシの出番です。手が届きにくいカドや、狭いすき間の汚れまで、きれいに落とすことができます。

ドアなどに付いているパッキン部分は黒ずみやすいので、こちらもきれいに掃除します。ゴムのパッキンは漂白剤より無水エタノールがおすすめ。クロスに無水エタノールスプレー(水100mlに、無水エタノール80mlを加えたもの)をつけて拭いてもよいですし、アルコールタイプのウェットティッシュを使ってもかまいません。
漂白剤溶液やエタノールで汚れをきれいに落としたら、全体を水拭きし、その後から拭きで水分を取ったら完了です。

におい対策は一に掃除、二に脱臭剤

冷蔵庫によくある悪臭の原因は、腐った食品、こぼれた食品の汁、調味料の液ダレなど。また、生魚の場合、トリメチルアミンという生臭い成分を出しています。冷蔵庫の中では、必ずしも食品が密封されておらず、さまざまなにおいが混在して悪臭となるのです。
基本的なにおい対策は、壁や棚の掃除を徹底すること。とはいえ、色々な食品が入っている冷蔵庫で、においを完全にシャットアウトするのは簡単ではありません。
冷蔵庫用の脱臭剤を常に置いておくのがよいでしょう。「脱臭炭」は、冷蔵室、野菜室、冷凍室など、場所によって適した成分を配合しており、炭の力で庫内のイヤなにおいを吸着。冷蔵庫の悪臭対策の強い味方です。

手順④:パーツを元に戻す

シンクのお湯を抜き、最初につけ置きしていたパーツを取り出します。よくすすいでから、水気を切り、から拭きして庫内に戻します。食品を中に戻して完了。

手順⑤:冷凍室は手早く掃除する

冷凍室も中身を全部出して掃除します。取り出した食品は、保冷剤の入った保冷袋に入れておくと安心です。冷蔵庫と同じく手早く洗剤で拭いて、「水拭き→から拭き」の順で掃除します。最後に電源を入れて完了。

汚れやすい場所に絞ってちょこっと掃除

時間がない方は、場所を絞って掃除するのもよいでしょう。冷蔵庫で特に汚れやすいのは、よく使うチルド室内、その上2段とサイドポケット。野菜室も野菜クズや泥などで汚れやすい場所です。こういった汚れが多い場所だけでも、中身を取り出して掃除しましょう。

手順⑥:外側の掃除~ホコリ、油汚れ、手垢を落とす

冷蔵庫の外側には、キッチンならではの油汚れがこびりついています。また、特に天井や裏側はホコリもたまりやすく、ドアなどよく触るところには手垢もつきます。
まずは、ホコリの付きやすい天井や裏側に掃除機をかけます。掃除機でとれない油汚れは、重曹水(水100mlに対し重曹小さじ1杯を溶かしてつくる)か、油汚れ用の洗剤をクロスにつけて拭き取ります。最後に、「水拭き→から拭き」をして完了です。
冷蔵庫の裏側など手が届きにくい場所をきれいにするには、持ち手の付いたハンディワイパーが便利。

3.冷蔵庫の整理収納

冷蔵庫がきれいになったら、使いやすいよう食品を入れていきます。最後に、散らかりにくい整理収納のポイントをお伝えします。

理想的な収納はすべての食品が把握できること

冷蔵庫をすっきり整理するためには、すべての食品を把握できるよう収納することが大切。奥に追いやられた食品は、存在すら忘れてしまい、入れっぱなしになりがちです。
奥行きのあるトレーやカゴに食品を載せて収納すると、トレーごと引き出して奥にある食品も取りやすくなります。取って付きなら、さらに取り出しやすさがUP。100円ショップの仕切板や、アクリルのブックエンドなども便利です。

どこに何を置くかは使用頻度と賞味期限で決める

食品の収納ポイントは、「頻度の高いもの」「早めに食べるもの」を取り出しやすい場所に置くこと。チルド室は、肉や魚、お刺身など賞味期限の短い生鮮食品を収納すると決めてしまいましょう。

チルド室の上1~2段は、使いやすいスペースなので、よく使う食品や早めに食べる食品の指定席に。毎日使うご飯の友や醤油、食べかけのおかずなどを入れておくとよいでしょう。朝食時に必ず使うバターやジャムを、まとめてセットしておくのも◎。

合わせて、1段目には鍋ごと収納できるような、大きめのゆとりスペースを作っておくのがおすすめ。すぐ食べるもののちょい置きができて便利です。空いているスペースがあると空気の流れができ、庫内に冷気が行き届くので節電にもなります。

ドアポケットも、使いやすいのは目線の高さのスペースです。ここにも調味料などよく使うものを収納します。

冷蔵庫の最上段はちょっと高くて使いづらいので、毎日は使わないかもしれないけれど常備している食品(お漬物やつくだ煮など)を密閉容器に入れて保管する場所に。

野菜室の野菜は立てて収納

野菜室は、収納ストッカーなどで区切ります。上から見るので、奥行きを考える必要はありません。そのかわり、できるだけ立てて野菜を入れてください。高さがないキャベツやレタスも、重ねるのはNG。
こうすれば、入っている野菜が一目瞭然ですし、収納力も上がります。使いかけの野菜は、まとめて抗菌密閉容器に入れると、散らからないうえ、清潔に保管できます。

文具を使って冷凍室を整理

冷凍室も立てて収納が基本です。できるだけ密着させた方が、空気に触れず霜が付きにくくなります。使いかけの冷凍食品は、専用コーナーを設けると使い忘れを防止できます。
開いた袋は、口を文具クリップ で留めればOK。スペースを区切るには、100円ショップの仕切板やアクリルのブックエンドが便利です。

散らからない収納は見直しながら完成させていく

使いやすいようにトレーやカゴを置いても、出した食品を元に戻せなければ、意味がありません。ラベリングなどで、家族にもわかりやすくする工夫が大切です。
食品のイラストでもよいですし、赤は急ぐ/黄色は普通/青は保存する、など色別にしてもよいでしょう。一目瞭然でわかることが重要なので、文字より絵や記号がおすすめです。
収納ルールを決めたら、その後の見直しも忘れずに。本当に使い勝手のよいルールになっているか? 家族は理解しているか? を振り返り、修正しながら、快適な収納を完成させていきましょう。

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