衣類を食べる「衣類害虫」は、多くの昆虫と同じように、温かく湿気の多い季節に活発になります。梅雨から夏は虫食いのシーズンと言ってもよいでしょう。
虫が発生しやすい気温・湿度は?
一般に、気温20度~25度、湿度60%以上で衣類害虫が発生しやすくなります。ただし、それ以上の暑さには弱いので、30度を超えると活動はぐっと鈍くなります。
冬服によく使われているウールやカシミヤは、虫の大好物
暖かい季節に虫食いが増えるのは、温度、湿度のほか、収納されている服の繊維にも原因が。衣類害虫は、冬物の服に多いウールやカシミヤといった動物性繊維を好みます。そのため冬物をしまい込む春から夏にかけて、虫食いの被害に合いやすいのです。とはいえ、最近は夏服でも、シルクやウールなど、虫に食べられやすい繊維でできているものもあります。密閉性の高い住宅は室温が大きく下がらないこともあり、防虫対策は一年中欠かせません。
季節外の衣類を虫食いから守るには
衣替えはなるべく晴れた日に行い、季節外の衣類はよく乾かして収納することを推奨しています。湿度が高かったり、雨が降っている日に収納すると、湿気も一緒に取り込んでしまうからです。衣替えのタイミング以外にも、衣類を日光や風に当てる「虫干し」や、アイロンをかけて衣類に付いた虫の卵を駆除するといった対策が効果的です。
また、衣類に汚れがついたまま収納するのも避けてください。汗や食べかす、調味料のシミには、衣類害虫の好物であるタンパク質が含まれており、繊維の種類に関わらず、虫食いの原因になりかねません。
普段からできるだけ収納スペースを換気し、衣類を詰め込み過ぎないのも大切。衣類でぎゅうぎゅうのスペースは空気の入れ替えができず、湿気がたまってしまうからです。余裕のある収納は、整理整頓だけでなく、衣類を守るためにも必要なことなのです。