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セーターに虫食いの穴を発見。クローゼットに虫がいるってこと?

虫食いの犯人は、イモムシのような衣類害虫。タンスやクローゼットに棲んでいるなんて、想像しただけで気持ち悪いですね。

セーターの穴は虫食い? それともひっかけただけ?

穴をひとつ見つけても、それだけで虫食いかどうか、判断するのは難しいところ。もし、同じセーターにいくつも穴があいていたら、虫食いを疑った方がよいでしょう。一度に、何カ所もひっかけて傷をつけるとは、考えにくいからです。また、穴がひとつでも、長期収納していた衣類に穴があいていた場合、虫食いの可能性が高いでしょう。

衣類を食べるのは、主に衣類害虫の「幼虫」。
1匹の虫が数カ所食べることもありますし、たくさんの虫が違うところを食べることもあります。幼虫でいる間に衣類の繊維を食べて成長し、成虫になるとどこかに飛んでいってしまいます。

タンスやクローゼットを見渡して虫の姿がなくても、衣類に虫食いを見つけたら、収納していた場所に衣類害虫がいたということになります。

上の写真は「イガ」の幼虫です。

衣類害虫は1日数百個の卵を産む!

代表的な衣類害虫は「カツオブシムシ」と「イガ」の仲間です。

詳しくは「『衣類の虫くい』といっても、目に見えないのでイメージがわきません。衣類を食べる害虫にはどのような種類があるのですか?」へ

カツオブシムシやイガの成虫は、1匹が1日に数百個もの卵を産むと言われています。クローゼットなどの衣類の中で孵化した後、幼虫は数カ月間そのまま暮らし、衣類のあちこちを食べるのです。

現代の住居は年間を通して暖かく、虫にとって大変暮らしやすい環境になっています。そのため、成虫になっても外へ出て行かず、家の中で世代を重ねることも。虫なんて想像できないきれいなマンションでも、衣類害虫がいる可能性は十分あるのです。

衣類害虫はどこからくるの?

カツオブシムシやイガの成虫は、家の中だけでなく、屋外の色々なところを飛んでいます。
外に干した洗濯物や、外出時の衣類に付いて家の中へ持ち込まれます。衣類害虫は、特に暗く狭くて、湿気があり、食べ物の繊維が豊富なタンスやクローゼットが大好きなのです。

気になるのは、虫が付いたまま、セーターなどを着てしまうのではないかということ。
まず、羽のある成虫は飛んでいくことができるので、いつまでも同じ衣類に付いていることは、まずありません。
長く収納していたセーターを出す初秋は、衣類害虫が成虫になっている季節。幼虫のまま衣類にとどまっているケースは少ないかもしれませんが、幼虫はさなぎを経て成虫になるため、さなぎの抜け殻が衣類に付いていたり、タンスやクローゼットの中に残っているはずです。

長い間しまっていたセーターは、風通しのよいところで干してから着てください。洗濯できるならベスト、どちらも難しければ掃除機をかけるのも有効です。付いている幼虫や抜け殻を、落とすことができます。

衣類を虫食いから守るには

衣類害虫は湿気を好むので、タンスやクローゼットは、天気のよい日に時折風を通してください。衣類を入れた状態で、引き出しを開けるだけでもOK。中をからっぽにして掃除をすれば、虫を追い出し、暮らしづらい環境を作ることができます。衣類に食べこぼしや皮脂汚れがついていると虫のエサになるので、洗濯してから収納しましょう。

長期収納するときは、防虫剤を使用すると安心です。衣類害虫はどの家にもいる可能性があります。大切な衣類を守るためしっかり防虫対策しましょう。

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