「冷めても美味しい、と言われるのはうれしいこと。けれど、温かければもっと美味しいに決まっています」 そう語るのは、グリル満天星本店料理長の武藤雅之さん。フードデリバリーのファインダイン(運営:ライドオンエクスプレスホールディングス)と協力し、こだわりの料理をお客様に届けています。 人気が高まるフードデリバリーの舞台裏では、どんな工夫がなされているのか? 調理開始から宅配が完了するまでを追跡しました。
飲食店とデリバリーサービスの取り組みとは?
「デリバリーのお客様にも、できるかぎりお店と同じ美味しさを味わっていただきたい。著しく味が落ちるものは出しません(武藤料理長)」
グリル満天星は明確なポリシーで、洋食のデリバリーを提供します。
例えば、水分を吸いやすいスパゲティやグラタンは、デリバリーメニューから除外(テイクアウトは可)。デリバリーの予約・注文が入れば出発時間から逆算し、直前に完成するよう調理をします。
一品一品、丁寧につくられた名店の味に注文が殺到し、中には100回近くデリバリーを依頼する常連さんも。
ファインダインは、「地元の人気店」に特化したフードデリバリーサービスです。社員・アルバイトとして教育を受けたスタッフが、自社のバイクで飲食店の料理を宅配します。
美味しい料理を届けられるよう、飲食店とのコミュニケーションを大切にしている、とファインダイン麻布店店長の山﨑祥隆さん。「お客様の手元に届く状態を計算して、工夫してくださる飲食店さんはありがたい存在です(山﨑さん)」。
容器や盛り付け、さらにデリバリー向きの料理など、宅配する立場から飲食店にフィードバックすることも少なくありません。
フードデリバリーを追跡!
注文してから料理が届くまで、フードデリバリーの裏側に密着しました。
今回は港区麻布十番のグリル満天星から、ファインダイン事業を運営する三田のライドオンエクスプレスホールディングス本社まで、実際にデリバリーを注文しました。
注文したのは次の3品。ファインダインで人気上位のメニューです。
1位 ポークソテー(ジンジャーソース)ライス(2,360円)
2位 洋食盛り合わせ弁当(2,480円)
3位 ハンバーグ&エビフライ(3本)(2,590円)
※すべて税込み。配達料は含まれていません。
調理から宅配まで追跡したレポートをお届けします!
注文が入り、歴史が刻まれたグリル満天星のキッチンで調理がスタート。
人気のハンバーグを、フライパンで強火にかけます。表面を焼き固めた後、オーブンでじっくり熱を通すことで、肉汁を閉じ込めます。
時間差でフライやソテーを調理。約15〜20分後、大きな時間差なく料理がそろいました。
ヒーター付きの台上で、デリバリー用の容器に盛り付け。少しでも料理が冷めないよう配慮されています。
食通たちを魅了するデミグラスソースは、1週間かけてつくる秘伝の味。デリバリーでも変わらぬ味をいただけるのは、洋食ファンにはうれしいところ。
ファインダインのドライバーがお店に到着しバトンタッチ。
バイクの宅配用ボックスへ、慎重な手付きで料理を格納します。
ボックスの中にはフードデリバリー専用の温熱シートが! 料理が冷めてしまうのを防いでくれます。
ライドオンエクスプレスホールディングスの本社に到着しました。
デリバリー中に料理を保温した温熱シートはエステーの「HEAToGo」※1。専用パッドに収納して宅配ボックスに入れると、高い温度で効率的に料理を保温します。20分後で75℃、30分後でも70℃以上を維持できるというデータも。(※模擬食品による試験:オルセン調べ)
使い捨てカイロの仕組みを応用してより高温で発熱、電源不要、8~10時間持続※2する。
※1 HEAToGOは、ファインダインの一部の店舗で使用されています。
※2 HEAToGO(2枚)を専用パッドに入れて使用。使用状況や環境により異なります。
いざ実食!肝心のお味はいかに!?
届いたお弁当は大きな崩れもなく美味しそう!
ライドオンエクスプレスホールディングス本社の会議室をお借りして、届いたばかりの料理をいただきました。
実は今回は特別に、通常通りの宅配方法とは別に、HEAToGoなしでボックスに入れた料理も、同時に届けてもらいました。
サーモグラフィカメラで撮影すると、違いがよくわかります。
お店を出てから約20分後にサーモグラフィカメラで撮影(白い部分が最も温度が高く、続いて赤、黄色、緑、青の順に高い)。
一見して、ご飯の温度差が大きいことがわかります。また、揚げ物の表面も温かく保たれています。
ハンバーグを一口含むと、中までしっかり温かく、甘い肉汁が舌の上でほどよく広がります。牛すじや香味野菜の旨味が詰まったデミグラスソースはほろ苦く上品な味わい。脂っこさ、しつこさはまったくありません。
ポークソテーはやわらかく、中に赤みが残る絶妙の焼き加減。 ほんのりスパイシーなジンジャーソースが、食欲をそそります。
大ぶりの海老フライはお弁当の揚げ物にありがちなべとっとした感じはなく、さくっとした触感。盛り付けが崩れがちなデリバリーならではの工夫も光ります。
洋食盛り合わせ弁当のエビフライは、スペースにしっかり入るよう丸めて揚げられています。容器に食材をフィットするように詰めると、宅配中に崩れにくくなるそう。
まとめ
外出自粛が求められる中、ますます注目度が高まっているフードデリバリー。便利に利用できるだけでなく、人気の裏には、メニュー開発や配達方法など料理をおいしく届けるためのさまざまな工夫や努力がありました。料理をつくってくれる人、運んでくれる人、みんなに感謝して、フードデリバリーライフを楽しみたいものです。