季節のくらし

お米を無駄にせずおいしく食べたい! お米や炊いたご飯の正しい保存と温め方

NEW

劣化させない「お米の保存」

お米の値段が変動し、以前よりもお米を大切にする意識が高まっているのではないでしょうか。せっかくのお米を無駄にせず、いつもおいしく食べるために、お米やご飯の保存方法、再加熱の方法を紹介します。五つ星お米マイスターであり、120年以上続くお米屋さんの6代目でもある秋沢毬衣さんにお伺いしました。
五つ星お米マイスター
秋沢毬衣さん
プロフィール

プロフィール

五つ星お米マイスター
秋沢毬衣さん
東京都調布市出身。1905年創業「(株)山田屋本店」6代目。五つ星お米マイスターとして全国を巡り、美味しいお米と生産者の声を発信。銀座三越「銀座米屋彦太郎」や「お米館調布本店」の直営店にて対面販売を行い、お米のブランディングや食育にも力を注いでいる。
https://hikotaro.jp/
閉じる

お米の劣化を防ぐには冷蔵庫へ

お米は暖かい場所で空気にさらしているとどんどん劣化します。劣化の原因は、中に含まれる油分が酸化すること。玄米の状態だと、ぬかに油分が多く含まれており酸化しやすいのです。玄米を精製した白米でも、ある程度のぬかが残っているため、お米の保存には酸化を防ぐことが大切です。

できれば冷蔵庫など温度の低い場所で保存するのがベストです。また匂いが移りやすいので、冷蔵庫に入れる場合には密閉をお勧めします。真空パックのお米も売っていますが、一度開けると空気に触れてしまうので、密閉容器やジッパー付きの袋に入れ、密閉して冷蔵庫に入れるのがよいでしょう。

常温で保存する場合には、湿気が少ない冷暗所へ

冷蔵庫にお米を入れるスペースがない場合には常温で保存することになりますが、その場合には、涼しいところや湿気の少ないところに置きましょう。台所のシンク下などは湿気や熱気がこもりやすく、カビが発生したり虫が発生する可能性があります。できるだけ風通しのよい場所に保存し、虫対策も施しておくとよいでしょう。

米びつや密閉容器などに保存し涼しい場所に置いておきます。保存容器は、お米を使い切った際に拭いたり洗ったりして、清潔に管理しておきましょう。

虫対策に米唐番

常温で保存するお米を虫から守るために「米唐番」を活用しましょう。通常のお米用と無洗米用があり、タイプに合わせて使えます。天然唐辛子成分と発酵アルコール(酒精)とクミンアルデヒド(香辛料由来成分)、これら3つの成分を配合した唐辛子ゼリーがお米を虫から守ります(無洗米用は天然青唐辛子成分と発酵アルコール(酒精)を配合)。

買う時の目安は1ヶ月で食べきれる量

保存に工夫をしてもお米は劣化していくので、美味しく食べるためにはだいたい1ヶ月で食べきれる量を買うようにしましょう。割高にはなりますが、少量ずつ購入したほうが、よりおいしく食べ切れます。

おいしく食べるための「ご飯の保存」

炊き立てのご飯をすぐに食べきるのが理想ですが、なかなかそうもいきません。一人暮らしや二人暮らしならまとめて炊いて保存し、人数の多い家族の場合は食べきれず余る場合もあるでしょう。いつも決まった方法で保存するのではなく、食べきれる期間に応じて、保存方法を変えた方がよいでしょう。

炊飯器の保温機能は最大でも2時間ほどと考えて

最新の炊飯器であれば保温機能の性能はとても高くなっています。とは言え、炊いたご飯を保温のまま置いておくのは最大でも2時間ぐらいと考えてください。それ以上の場合は、ほかの方法で保存しましょう。

1日か2日で食べきれるなら冷蔵庫、それ以上は冷凍庫へ

いつでも冷凍庫で保存するのではなく、当日を含め1日か2日で食べきれるなら冷蔵庫で保存するのがよいでしょう。その場合、炊き立てを保存するのが理想的です。冷蔵のほうがよいのは、冷凍に比べて短時間で温められるから。温めに時間がかかると、その分ムラができたり、水分が飛んで硬くなったりしやすくなります。そのため、1日か2日で食べきれそうにない場合に冷凍保存するようにしましょう。

保存する際の手順

保存する際にも、ただ密閉容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫へ入れるだけでは、美味しく食べられない可能性があります。いくつかのポイントがあるので、手順とともに紹介します。

  1. ラップを敷く
  2. ご飯をお茶碗一膳分ずつ平たくして載せる
  3. ラップをぴったり密着させるように、温かいご飯を蒸気ごと包む
  4. ラップで包んだご飯をいくつかまとめて密閉できる袋や容器に入れ、粗熱をとってから、冷蔵庫または冷凍庫に入れる

小分けにしておくことで、ご飯の劣化や、解凍時のムラを防げます。人によってお茶碗の大きさ(食べる量)が異なる場合には、それぞれの分量で保存しておくのもよいでしょう。その際に、ご飯を蒸気ごとラップに包むことで、温めたときにふっくらと仕上がります。

また、しゃもじや容器に雑菌や油分が残っていると傷みの原因になります。容器はしっかり洗い水気をよく拭き取ってから使いましょう。

美味しく食べるためにも、冷蔵のご飯は1~2日、冷凍は2~3週間で食べきってください。

保存したご飯をおいしく温める方法

せっかく丁寧に保存したら再加熱にも気を使いたいもの。加熱しすぎにより水分が飛んで固くなってしまったり、逆に加熱が足りないとおいしくないだけでなく、食中毒のリスクも高まります。美味しく温め直すコツも知っておきましょう。

電子レンジでの温め方は冷蔵と冷凍で異なる

冷蔵したご飯を電子レンジで温める場合は、500~600Wで1~2分程度温めてください。その後にお茶碗によそいます。さらにふっくらと仕上げたい場合は、途中で一度取り出して、ほぐしてから再度温めるのもよいでしょう。

冷凍の場合には、500~600Wでまず2分くらい加熱します。その後、ご飯をほぐしながらお茶碗(※)に移し替え、ラップをかけて1分ほど温めます。途中でほぐすと、中が冷たいままにならずムラが少なく温めることができます。

※お茶碗は、電子レンジ対応のものを使ってください。

冷凍に適した品種は?

ご飯を冷凍保存する機会が多い場合には、冷凍保存に適したお米の品種を選ぶのもひとつのコツです。ほどよくもっちりしている品種が向いており、コシヒカリやつや姫などがよいでしょう。逆にもち米や、炊き込みご飯も具材によっては、硬くなりやすいといえます。

蒸し器で温めなおすとしっとり仕上がる

もち米や、硬くなりやすい品種を選んだ場合にも、蒸し器で再加熱するとふっくらしっとりと仕上がります。せいろや蒸し器に入れて、5分から10分ぐらい加熱すると、水分が含まれ、ほどよくもっちりとしたご飯になります。

ご飯だけで考えると少し手間がかかりますが、ほかのおかずと一緒に蒸せばひと手間で済ませられるのでおすすめです。

無駄なくお米を消費するには?

お米を無駄なく保存したり、おいしく再加熱したりするのは大切なことですが、一番いいのはやはり、炊きたてを食べること。そのためには、食べる分だけ少量ずつ炊くのがベストです。自分や家族が食べる量を把握しておき、食べきれる分だけ炊くようにするとよいでしょう。

まずはお茶碗一杯分のご飯の量を一度測ってみましょう。お茶碗一杯に軽く盛ると、大体150gが一般的です。お米一合(約150g)は炊くと倍量の約300g強のご飯になり、お茶碗2杯分強に相当します。

家族でお茶碗の大きさが違う場合には、それぞれの量を計っておくと炊く時や保存する時の目安になるでしょう。

関連する記事

おすすめアイテム記事と関連したエステーのおすすめ製品です。