夏の大掃除のメリットは? 「油汚れ」「水仕事」「洗濯」などに強い!
気温が高いので汚れ全般が落ちやすい
気温や水温が高く、油が固まらず液状化しているので、油汚れを落としやすくなります。逆に、油の多い場所を真冬に掃除するのは、余計な苦労をしているとも言えます。
油汚れがたまりやすいのは、油を使うキッチンの周辺。コンロの周りだけでなく、キッチンの壁や天井、冷蔵庫や食器棚の周りなども、油がついています。
気温や水温が高いので、水を扱うのがつらくない!
掃除には水による洗浄が付きもの。風呂場の浴槽や洗い場、家の外壁や窓など、大きく広い場所になるほど、たくさんの水を使います。もし、冬に大掃除をすると、手で触るのがつらいだけでなく、万一水をかぶったら風邪をひきかねません。
夏であれば、暑いので水がかかっても大丈夫。水温もあたたかいので辛さがありません。
洗濯したものが乾きやすい!
大掃除と洗濯はセットともいえます。掃除に合わせて、ラグマットやソファカバーといった大物のファブリックやカーテンを洗濯することも多いでしょう。大きなものを洗濯したときにすぐに乾くのは夏のいいところ。
大物の洗濯をするなら、気温が高くて湿度の低い日がおすすめです。
夏の大掃除におすすめなのは、キッチン、お風呂、家の外!
普段の掃除をおろそかにしがちで、夏に大掃除したほうがいいところ。その代表はキッチンの換気扇です。家の中でもっとも油を使う場所なのに、汚れていても実害がほぼなく、放置してしまう人が多いのです。
油汚れがたくさんたまっている場所だからこそ、年末に焦って掃除するより、汚れが落としやすい夏に掃除してしまいましょう。
換気扇はまず、フード部分などの外側をきれいに
まず必ず掃除したほうがいいのは、換気扇の外側です。ほとんどの換気扇にはフードが付いており、その外側にもたくさんの油と汚れがついています。
手荒れをしないようにビニール手袋を使い、住居用の油汚れ用の洗剤を全体にスプレーします。中性よりは弱アルカリ性のほうがよく汚れが落ちるのでおすすめ。
落ちにくい頑固な汚れや、洗剤が垂れやすい壁面などは、洗剤をスプレーした後に湿布をしてしばらく時間を置くと効果的。藤原さんのおすすめは、まな板や皿の上に敷くシートとして市販されているポリエチレンのシート。もちろん、手近なラップやキッチンペーパーでもOKです。洗剤が垂れたり、乾いたりしないように外側から覆っておくことで、高い気温と洗浄成分の力で油が溶けてくれます。
その後、捨ててもいいウエスやキッチンペーパーなどで拭いて汚れを落とします。ごしごしこすらなくても、ずるずるっと楽に汚れが取れる感覚できれいにできるはずです。
汚れを拭きとったあとは、濡らしたウエスなどですすぎ拭きをしましょう。
手袋をして手あれを防ぎ快適に
換気扇の掃除をするときは、ビニール手袋をつけて手を守りましょう。
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換気扇の中も基本的には同じ順序で
現代の換気扇はさまざまなタイプがあるので、内側を掃除する際の分解の仕方や掃除の仕方は製品によって異なります。3年以上放置してしまった場合は油がかなり溜まっているはずなので、自力で掃除するのは難しいと考えたほうがいいでしょう。清掃業者に依頼する場合でも、夏のほうがいいのです。業者によってはお湯をたくさん使ってすすぎます。そのため、水温が高いほうが光熱費を安く抑えられます。
自分で掃除する場合は、換気扇の説明書を見ながら、外せるパーツを外しましょう。その際にも、手袋の装着を忘れずに。外側の掃除と同じように弱アルカリ性の洗剤をスプレーして油汚れを溶かします。お湯ですすげるような小さなものであれば流し、それ以外はウエスなどで拭き取ります。その後、すすぎ拭きをして乾かしてから元通りに戻します。
過炭酸ナトリウムを溶かしたお湯に漬け込む方法もありますが、お湯を張る場所の用意や、汚れたお湯の処理にも実は手間がかかりがち。焦げ付きなどがあるわけではないし、夏の気温で油が溶けやすいので、基本的にはスプレータイプの洗剤で落ちるはずです。落ちにくい汚れがあれば、外側と同様に湿布をして時間を置きましょう。
水を使って壁や窓の掃除も
家の外側は、泥汚れや排気ガスなどの汚れが付いています。排気ガス汚れなどはキッチン同様に油系なので、気温が高いほうが落ちやすいのです。
戸建てであれば、家の外壁や窓の掃除は高圧洗浄機がお勧め。外から水をかけて圧力で落とします。
高圧洗浄機がない場合、外壁の掃除には車の洗浄道具として市販されている大きいブラシやスポンジを使い、広い面を一気に掃除しましょう。水で流しながらこすって落とします。
窓の掃除は、メラミンスポンジがおすすめ。まずはバケツに水を張り、食器用洗剤を数滴入れたものを用意しましょう。手には手袋をはめ、メラミンスポンジをバケツの水に付けて軽く絞ります。
窓ガラスの掃除は、下側からでも上側からでも構いませんが、横方向に汚れをふき取り、1段終わったらその上側または下側を横方向に拭き取っていきます。メラミンスポンジが汚れたら、その都度洗剤を溶かしたバケツの水ですすぎましょう。
その後、スクイージーを上側から横向きに水切りしていき、最後に縦方向に動かして仕上げます。端に水が溜まっていたら、マイクロファイバークロスか乾いたウエスで拭き取りましょう。
網戸も同じように、メラミンスポンジで汚れが落とせます。網戸の場合はスクイージーやふき取りは不要です。
水をかぶっても寒くないお風呂掃除も夏にぴったり
お風呂の掃除も、冬にはつらい仕事の代表格ではないでしょうか。夏であれば誤って水をかぶってしまっても、大きな問題にはなりません。天井も、気にすることなくシャワーをかけられます。
大きめスポンジや、長めの柄が付いているスポンジなどを使って、洗剤を付けて壁や天井を掃除します。最後にシャワーの水ですすげばOKです。また、換気扇のフィルター部分も外して掃除しましょう。
洗剤でこすっても落ちないカビがある場合には、別の処理が必要です。次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした市販のカビ取り剤はタンパク質を溶かすなど刺激が強いので、目線より上の部分には決して使わないでください。天井や壁の上側など、目線より高い場所は消毒用エタノールをスプレーするか、ウエスなどで塗り付けましょう。見た目には黒く残りますが、カビは死滅してくれます。
目線より下なら、カビ取り剤を使って漂白までしてもOK。カビ取り剤は刺激が強いので、必ず手袋、眼鏡、マスクをしましょう。洗浄した後にカビ取り剤などを付け、20分ほど置いたあとに水で流してからスポンジなどでこすります。カビ取り剤は、飛んで目に入ったら失明する可能性もあるため、水で流す前にこするのは厳禁です。また、体調の悪い方は、カビ取り剤を使うこと自体を避けてくださいね。
お風呂の鏡に付くうろこ状の汚れ
お風呂の鏡についた白いうろこ状の曇りもきれいにしましょう。こちらは酸を使わないと落ちないので、弱酸性の洗剤を使います。ただし、カビ取り剤と混ざると塩素ガスが発生して、最悪の場合は命に関わります。排水溝で混ざる可能性も踏まえ、カビ取りをしてから中2日は空けて掃除してください。
手袋をして、クエン酸または弱酸性のお風呂用洗剤を吹き付け、湿布をしてしばらく置いて汚れを溶かします。その後にスポンジなどで軽くこすって汚れを落としましょう。
フロ釜の掃除も一緒に
気になっているフロ釜も一緒に掃除してみては。「洗浄力 フロ釜クリーナー」は、浴槽の穴が1つの強制循環釜、穴が2つの自然循環釜、さらにジェットバスや24時間風呂にも使えます。液体タイプなので素早く汚れに浸透し、風呂釜だけでなく、洗いにくい配管内部に潜む湯ドロやヌメリを洗浄できます。
夏の大掃除はお天気や体調を見てバテないように!
夏の大掃除のメリットはたくさんありますが、暑い時期ならではの注意が必要。無理しすぎると体調を崩したり、せっかくの苦労が水の泡になることもあるので、次の点に注意しましょう。
少しずつ進め、体調の悪いときにはやらない
大掃除は一気にやりたくなってしまいますが、あまり無理せず、短い時間で数日にかけて取り組むのが得策。朝早めの時間からスタートし、暑さのピークを迎える前に終わらせましょう。
また、夏バテなどで体調が悪いときには「やらない」という決断も必要です。夏の大掃除には気温が高いことによるメリットはありますが、暑さのせいでバテやすい側面も。体調のいい時に、適宜休憩を取り、水分補給をしながら熱中症に注意して進めてください。
夏に限らず、高所の掃除は家に誰かがいるときに
大掃除は無理をしがちな方が多いようです。東京消防庁のデータによると、掃除中の事故で救急搬送されるのは、大掃除シーズンである12月が多いのだとか。大掃除で、普段掃除できない場所をきれいにしたい気持ちはわかりますが、踏み台や高所に登る場合には気を付けましょう。
高所の掃除をする際は、自宅に自分以外の誰かがいるときにしてください。転倒して意識を失い、そのまま手当をしないと危険が高まります。誰かがいれば、気を失っても対処してくれます。
ひとり暮らしなどでどうしても難しい場合には、業者に依頼するか、高所の掃除をしないという選択も必要です。