1.「整っている人」になろう
実はストレスになっている寒暖差や日照時間
心とカラダを整えて健康になり、自由を手に入れる
心やカラダが「整っている」というのは、健康であるということ。健康であれば、選択の幅が広がります。つまり、自由が増えることに。
例えば、休日に「どこかへ出かけよう」と思えたり、生活に余裕ができたときに「新たな趣味を始めよう」と考えることができます。健康な人は、将来の展望が明るい傾向があるそう。
ところが、心やカラダに不調があったり、バランスを崩していると、休みの日にも「疲れているから寝ていたい」と思ったり、新しいことを始めるのに不安が大きくなったり。未来の展望を描きにくくなるのです。いろいろなことをあきらめざるを得なくなり、自己肯定感が下がる原因にもなり得ます。
心とカラダのストレスに目を向ける
心とカラダの調子は、環境に大きく左右されます。心にかかるストレスは、人間関係や金銭問題など、自覚できる要因が多いもの。自覚ができれば、ストレス要因から離れたり、カウンセリングに頼ったりと、対策ができます。
ところが、カラダにかかるストレスは、意外と自覚していないことが多いのです。例えば、寒暖差や気圧、乾燥、日照時間など、私たちが想像する以上にカラダにストレスを与えていて、それがカラダだけでなく、心のバランスを崩すこともあり得ます。
日照時間や食事は心とカラダに大きな影響
心やカラダの不調を感じても「年齢のせいだろう」と片づけてしまう人が多いのだそう。実際には、年齢よりも日照時間や食事など毎日の生活習慣の影響が思っている以上に大きいそうです。
午前中に日の光を浴びると、幸せホルモンと言われているセロトニンが分泌されます。セロトニンの分泌が少ないと、元気がなくなったり、朝起きられなくなったり、PMS(月経前症候群)が重症化したり、食べ過ぎたりといったことが起こるそう。したがって、日照時間が短い冬は全般的に心の浮き沈みが激しいと考えられます。
また、食べ物も心やカラダに大きな影響を与えます。日の光や食べ物の取り入れ方は、このあと詳しく紹介していきます。
2.生活リズムを整える
朝と夜の過ごし方が大事! 生活リズムの整え方
生活リズムが乱れると、さまざまな不調の原因になります。血圧が乱れたり、体重が増えたり、心の病気が増えたり……。生活リズムを整えるには、朝と夜の過ごし方が大事。朝は日の光を浴びて、朝食をとる、夜は照明を落として眠りモードにするなど、ちょっとしたポイントを押さえておけばOKです。
朝は日の光と朝食が大事
人間の体内時計は、24時間より少しずれていることが知られています。1日に数分ずつ、何もしないとずれていくのです。そこで、朝しっかりと、体内時計を調整することが大切。
体内時計には2つあり、ひとつ目は、朝しっかり日の光を浴びることで調整できます。目覚めたら部屋のカーテンを開け、曇りの日も意識して窓際で食事をしたり午前中の外出を心がけましょう。室内の明るさは、一般家庭で100~1000ルクスですが、曇りの屋外でも明るさは約1万ルクスと室内より高く、晴天の屋外では10万ルクスにもなります。しっかりと日の光を浴びることでセロトニンが分泌されます。
セロトニンは、「交感神経」と「副交感神経」の2種類の神経を調節する働きを活性化させ、心のバランスを整えます。
セロトニンが分泌された約14~15時間後に別名「ダークホルモン(暗闇を告げるホルモン)」と呼ばれるメラトニンが分泌され、副交感神経が優位になり心とカラダをリラックスさせます。メラトニンは抗酸化作用が強く、アンチエイジングに効果的(※1)。セロトニンがしっかり分泌されないと、メラトニンも分泌されにくくなるので、朝の光が大事なのです。
もうひとつは、朝に食事をとること。できれば、たんぱく質が含まれている食事がおすすめ。納豆や鮭、ヨーグルトや卵といった食事により、カラダが目覚め、体内時計が効果的にリセットされます。脳とカラダが朝をしっかり認識できないと、自律神経やホルモンバランスが乱れ、太りやすくなることもあります。
(※1 Poeggeler B, Reiter RJ, Tan DX, Chen LD, Manchester LC: J Pineal Res 14:151-168(1993))
夜は照明を落とし、入眠の準備を
朝セロトニンがしっかり分泌されていれば、日没とともにメラトニンが分泌されます。メラトニンは抗酸化作用やアンチエイジング効果が高く、副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があります。よりスムーズに分泌するために、強い光は厳禁。夕方以降は間接照明を使ったり、パソコンのブルーライトをカットするなどして、スイッチを切り替えやすくしましょう。
メラトニンが分泌されず、副交感神経が正常に働かないと、体内リズムが狂い、カラダが疲れやすくなったり、睡眠に関する悩みを抱えやすくなります。
夜寝る前に、副交感神経を優位にすることで質の高い睡眠をとることができます。そのためには、就寝前のカフェインを控えるなど、睡眠の質を低下させる要因は取り除く工夫も大切です。また、夜になっても明るい光のオフィスで仕事をしている人や入浴などのリラックス習慣のない人は、就寝前に天然精油のアロマなどリラックスするアイテムを取り入れるのもおすすめです。
3.カラダの状態を整える
不調の多くは血液循環と栄養状態が原因
生活リズムのほかにも、毎日ちょっとした工夫でカラダの状態を整えることができます。難しいことは抜きにして、簡単に取り入れられるポイントを紹介します。
血液循環を良くするには入浴と運動を
カラダの不調にはいろいろあり、原因もさまざまですが、意外と大きく影響するのは血液循環。血液の循環にはやはり入浴が効果的です。細川さんが代表を務める一般社団法人ラブテリが行った女性を対象にした調査によると、生理痛が重い人とそうでない人を比較すると、入浴習慣により大きな差があったのだとか(※2)。
入浴によりカラダが温まると血の巡りが良くなります。キャンドルライトで光を落とし、アロマオイルを焚いて入浴すると短時間でも身も心もリラックスできるので、おすすめの健康法だそう。
健康という視点では運動ももちろん大切ですが、忙しいとなかなか時間が取れないのが実情。そこで、毎日の通勤などを「早歩き」にしてみましょう。少し息が上がるほどの早歩きで活動すれば、1日3000歩でも筋肉量の低下抑制に繋がります。最近はスマートフォンが自動カウントしてくれますし、歩数量が測れるアプリもあります。また、エスカレーターでなく階段を使ったり、電車で座らず立っていると言った心がけもよいでしょう。
(※2 京都保健室調査 Copyright© 2018 一般社団法人 Luvtelli All Rights Reserved.)
5つの色を食べ、間食を含め5食にする
不調の多くの原因となりがちな栄養状態を担うのは食べ物です。栄養について学ぶのはなかなか大変ですが、簡単なコツは、毎食5つの色を取り入れること。何色でもいいので、彩のあるものを食べるようにしましょう。加えて、毎食片方の手のひらいっぱいくらいのたんぱく質を取り入れるよう心がけます。体重が50kgの人なら、50gのたんぱく質が目安です。たんぱく質が足りなくなると免疫力が下がり、さまざまな不調の原因になります。
また、1日の中で食事の回数を分けてとるのがおすすめ。人は食事を消化することで熱を発生させ、体温を維持する生き物なので、食事の回数を減らすと体温が下がりがちに。なかでも、朝ごはんを抜くと体温だけでなく、1日の中で血糖値のアップダウンが激しくなります。大きく血糖値が下がると、集中力がなくなったり、気分が沈んだりします。血糖値は食事回数がこまめであるほど波が小さくなり、安定します。血糖値が安定していることは、仕事などのパフォーマンスに大きく関わるのです。そのために、ドカ食いを避け、一食あたりの食事量を見直して午前と午後の間食を取り入れるとよいでしょう。くだものやナッツ、ヨーグルト、カカオ70%以上の高カカオチョコレート、チーズなどのヘルシーで栄養価の高いものがおすすめ。