せっかくクリーニングに出した衣類は、きれいな状態のまま収納したいですね。エステーの調査では、4割以上の方はクリーニングから戻ってきた衣類を、クリーニングカバー(ポリ包装)がついた状態のまま収納していることが分かりました。しかし、「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」事務局長の半田裕施さんによると、カバーをつけたまま収納すると、湿気などが原因で衣類が傷んでしまう恐れがあるため逆効果だそうです。収納する前にチェックしておきたいポイントを教えてもらいました。
クリーニングカバー(ポリ包装)は必ず外して
クリーニングに出した衣類が戻ってきたら、まず衣類に付いているクリーニングカバー(ポリ包装)を外しましょう。カバーはクリーニング後に工場やお店で衣類を保管して、お客様が自宅へ持ち帰るまでの間、ほこりや汚れを防ぐことを目的としており、ご家庭での保管には適していません。通気性が悪いため、カバー内に湿気がこもってカビの原因になったり、空気中にあるストーブなどの燃焼ガスと衣類の染料がカバー内で反応して変色する恐れもあります。そのため、カバーを外して、できるだけ風通しの良い状態でしまってください。
衣類に汚れやほつれがないかチェックを
カバーを外したら、衣類に問題がないかチェックしましょう。多くのクリーニング店では通常、衣類をお預かりする時と返却時にお客様の衣類を確認しますが、繁忙期などは確認できないこともあります。家に持ち帰ったら、カバーから取り出して、ご自身で必ず確認していただきたいです。
確認するポイントは、シミなどの汚れが残っていないか、ほつれがないか、ボタンが取れていたり欠けたりしていないかなど、預けたときの状態と比較しましょう。
衣類に合わせてハンガーは取り替えて
クリーニング店から戻ってくるジャケットなどには、ハンガーが付いていることもありますが、針金タイプのハンガーは、長期間収納する場合に型崩れの原因になります。ジャケットなどの肩幅や厚みにあわせて取り替えましょう。基本的にクリーニング店は、洗い終わった服をベストな状態でお返ししています。そのため、ハンガーにかかっているのであれば自宅でもハンガーをかけて吊すなど、返却時と同じ状態で収納するのがおすすめです。
クローゼット収納での注意点をご紹介
大切な衣類を長く愛用するためには、クリーニングの前後だけでなく普段の保管方法にも気を配りましょう。最近の家庭で増えているクローゼット収納での注意点をご紹介します。
・「着る前洗い」より「しまい洗い」を
夏服や冬服を同じスペースに収納するクローゼットの場合、衣替えの意識がうすれてしまい、着用シーズンになってから衣類をクリーニングに出す人が増えています。しかし、この「着る前洗い」はおすすめしません。衣類に汚れが付着した状態で次のシーズンまで保管すると、虫食いやカビのリスクが高まるだけでなく、汚れも落ちにくくなるからです。季節が変わって着なくなったら、しまう前に洗濯やクリーニングで汚れを落とす「しまい洗い」をしてから収納しましょう。
・色あせに注意
色あせにも注意しましょう。室内でも、蛍光灯の光や日光の紫外線があたると、色あせの原因に。長期保管する際には、UVカット加工がしてある不織布のカバーなどをつけると安心です。その際は、衣類のサイズにあったもの選び、袖や丈をしっかりカバーしてください。
・収納スペースも掃除をして清潔に
クローゼットは普段衣類の出し入れが多いので、ホコリも入りやすくなります。クローゼットにたまった汚れも虫食いやカビの原因になりますので、クローゼット内も定期的に掃除を行いましょう。
あまり服をぎゅうぎゅうに詰めすぎるとシワになったり風通しも悪くなったりするので、できるだけ間隔をあけて収納するのが理想的です。
虫食い・ホコリ・色あせから衣類を守る防虫カバー
「ムシューダ 防虫カバー」は、大切な衣類を約1年間しっかり虫やホコリから守ってくれるカバータイプの防虫剤。不織布と透明フィルムの組み合わせにより通気性にも優れ、UVカット加工の特殊フィルムのため、色あせを防ぐ効果も。「スーツ・ジャケット用」「コート・ワンピース用」をラインナップ。また、クリーニング店向けの「クリーニング専用 ムシューダ防虫カバー」も販売中。取扱い店では、クリーニングに出した衣類を「防虫カバー」をかぶせた状態で受け取ることができます。
取材協力:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 事務局長 半田裕施さん
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会HP