たまにしかスーパーへ行く機会がないと、ついつい多めに食材を買いがち。ただ、買い置きをしておくと、冷蔵庫に入りきらなかったり、使い忘れてしまったりしてムダにしてしまうことも。そこで今回は、料理研究家のフルタニマサエさんに、食材を余らせずに使い切る方法や、長持ちする保存方法を教えてもらいました。
基本は「先入れ先出し」 食材をローテーションして使い忘れを予防
お米や水、乾物や缶詰類など、比較的長期保存ができる食材は買い置きもできますが、生鮮食品などは傷みやすいため、冷蔵・冷凍保存をする必要があります。ただし、たくさん買ってしまうと入りきらなくなる恐れもあるので、まずは庫内を整理整頓してスッキリさせましょう。
食品は「先入れ先出し」が原則。買ってきたら、購入日または保存期間別にしまいましょう。新しいものを奥に、古いものは手前に置いて、古いものから順に使用すると使い忘れを防げます。また、一度開封したものは、賞味期限に関係なく早めに使い切ることも大切です。
庫内を整理整頓して食材を探す手間を省く
さらに、これから夏場にかけて室温は上がっていくので、冷蔵庫や冷凍庫の開けっ放しは厳禁。食材が傷みやすく、においも発生しやすくなります。置く場所を決めたりグループごとにまとめて置くことで、食材を探す手間が省けて冷蔵庫から取り出しやすくなります。
例えば、冷蔵庫の見えにくい一番上の段には買い置きの食材や消費期限の長い保存品。2段目には、朝食セットやビン詰類、3段目は作り置き料理など、目的や用途を決めましょう。解凍するものや生の食材は水分が落ちることも考えてトレーに乗せて一番下の段に置くのがオススメ。作った料理を冷蔵庫に入れる場合は、庫内の温度が上がらないように冷ましてから入れるのもポイントです。
冷凍庫も小物類は探しやすいように上段へ、下段には大き目のものを入れましょう。種類別に仕切りをしておくと探す手間がかかりません。冷凍庫内は食材を詰めて入れると効率的に冷やすことができます。買ってきたパックのまま収納すると、すき間だらけになってしまいます。そこで賢い冷凍方法を知ることが大切。先ずは食材をできるだけ薄くした状態で空気を抜いて保存袋に入れ金属トレーに載せて冷凍すること。熱伝導が良くなり、短時間で食材が冷えやすくなります。しっかり冷凍出来たらトレーをはずし冷凍庫に立てて収納するのがベスト。取り出しやすく、見た目もきれいです。
買いすぎた食材は下ごしらえをして冷凍庫を有効活用
消費期限が心配な食材は、使う前に下ごしらえをして別の形で冷凍保存するのもオススメです。野菜や乳製品も冷凍庫に入れておけば、より長持ちするので試してみてください。冷蔵庫がいっぱいで食材が入らないときにも重宝するでしょう。
以下に冷凍保存ができる食材と下ごしらえの例を紹介します。なお、冷凍した食材は3週間くらいを目安に食べ切りましょう。使い忘れないようにするためには、冷凍庫に入れた日を記入しておくと便利です。
●牛乳や生クリームで自家製チーズやバター作り
・牛乳で作る自家製チーズ
牛乳を500ccにレモン汁かお酢を大さじ1加えて加熱しましょう。固体と液体に分離したらペーパーで濾せば自家製チーズの出来上がり。食べきれない分は冷凍保存もできます。濾して残った汁には、ハチミツを加えてドリンクに。スープや味噌汁に入れるのもおすすめです。
・生クリームで作る自家製バター
生クリームも、泡立て続けて分離したらペーパーで濾すと、香りのよい無塩バターに。残ったミルクはコーヒーや紅茶に入れると美味しいですよ。
●冷凍保存できる意外な食材
・卵
卵は薄焼き卵や炒り卵にして冷凍保存すると、冷蔵よりも長く保存できます。解凍してお弁当のおかずなどにするのもオススメです。
・豆腐
豆腐も冷凍保存できてしまいます。解凍して水切りをしたら、適当な大きさに切って青菜類と共に煮ると、自家製凍り豆腐の煮物が作れます。
・きのこ類や貝類
傷みやすいきのこ類や貝類も冷凍すると美味しさアップ。きのこ類は小分けにして冷凍庫へ。貝類も良く洗ってトレーに並べて冷凍庫へ入れましょう。使うときは、解凍せずにそのまま加熱するのがポイントです。
・玉ねぎ
玉ねぎは皮をむいてそのまま冷凍しましょう。使うときは、2割程度解凍した状態で切ると涙が出にくくなります。切ったらすぐに加熱しましょう。
・トマト
トマトも傷む前に皮つきのままヘタだけ取り除き冷凍するのがオススメ。表面だけ解凍した状態で皮をむけば、ソースや煮込み料理などに使えて湯むきの手間が省けます。
冷蔵庫のにおい問題、手軽に解決
食材を詰め込みすぎると気になるのが冷蔵庫のにおい。エステーの「脱臭炭」は、ゼリー状の炭が庫内の生もの臭やニンニク臭などを強力に脱臭してくれます。においは空気より重く下にたまりやすいため、下段に置くとさらに効果的です。ゼリー状の炭が小さくなったらお取り替え。交換時期がひと目でわかるのも便利です。冷蔵庫用以外にも、冷凍庫用や野菜室用など庫内の場所に合わせてラインナップしています。