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クローゼットにカビが生えてしまいました。取り除く方法と今後の予防策を教えてください

密閉されたクローゼット内は湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい場所の1つです。
一度生えてしまうと、掃除をするのは結構大変。そこで今回は、エステーの守谷和騎研究員が、カビが生えてしまう原因や掃除の仕方、効果的な予防方法などをまとめて解説します。

一年を通して油断は禁物 カビが生える3つの条件

クローゼットは、家の中でも特にカビが生えやすいスポット。カビは、湿度65%以上、温度5~35℃、栄養(皮脂汚れやほこり、食べこぼし)の3つが揃うと繁殖しやすくなります。特に、梅雨のジメジメする時期はカビが増えやすいイメージですが、この3つの条件を満たした環境では、一年を通して油断できません。

クローゼットは基本的に密閉空間で、換気しづらく湿気がこもりやすい場所です。収納する衣類は汗をかなり吸いこんでいるので、脱いですぐに収納すると、クローゼット内に湿気がこもってしまいます。加えて、ほこりや汗、皮脂汚れなどが付いたままだと、カビが生えるリスクは一気に高まります。

さらに、洗濯物をクローゼットのある部屋で部屋干ししていると、湿度が上がってカビが生えやすくなります。また、冬から春の時期は、暖房による結露でカビが生育しやすく、梅雨の時期になって一気に繁殖するケースもあります。

カビが生えてしまったときの対処法

クローゼットの中でカビを見つけたときは、しっかりと掃除してから予防策を考えましょう。カビの生えている場所が、衣装ケースやパイプなどの硬質面であれば、タオルやティッシュにエタノール等を吹きかけて、拭き取るだけで取れる場合もあります。アルコールにより色落ちなどが起こる可能性があるので、目立たない箇所を拭いて確認しましょう。

壁紙や床材などの柔らかい場所にしっかり根を張っているカビは、漂白効果のあるカビ取り剤を使わないと落ちません。カビ取り剤をスプレーし、時間をおいたあとで、しっかり拭き取りましょう。硬質面と同様に対象物を傷めてしまう可能性があるため、目立たない場所で試してからすることをおすすめします。また、ゴシゴシと強く擦りすぎると表面に傷がつき、できた隙間に汚れが溜まりやすくなります。かえってカビが繁殖する原因になるので注意してください。掃除をした後は、クローゼットの扉を開けて内部をしっかり乾燥させましょう。

掃除したカビを再び生やさないようにするには

カビの胞子は空気中に漂っていて、水分や栄養がある場所ではクローゼットに限らず繁殖してしまいます。カビを防ぐポイントは、とにかく乾燥させること。部屋を換気して空気を循環させ、湿度を調整しましょう。エアコンのドライ運転で湿度をコントロールするのも有効です。ただし、エアコンの内部にカビが生えたまま運転すると、胞子をまき散らしてしまうので、しばらく使っていない場合は、エアコンの掃除をしておくと安心です。

クローゼットの中も日頃から清潔にしておきましょう。衣類の出し入れが多いとホコリが溜まりやすくなるので、定期的に掃除をしてください。扉を開けて換気することも大切です。

着ていた衣類を収納するときは、汚れをしっかり落としましょう。すぐに洗濯やクリーニングができない場合は、ブラシなどで表面の汚れを落としてからしまうのがおすすめです。また、1日着た衣類は汗を吸収しているので、収納する前にハンガーに一晩かけて、汗などの湿気をとばしてください。防カビ効果のある防虫カバーなどを活用すれば、カビの発育を抑えて、虫食いやホコリの付着も防げます。

衣類を隙間なく詰め込んでしまうと風通しが悪くなるので、間隔をあけて収納するのが理想的。また、バッグなどの革製品は湿気に弱いので、比較的湿気が少ない、高い場所に収納してください。

置くだけで効果を発揮 除湿剤を活用して湿気を予防

梅雨の時期など、湿気が多く、窓を開けて換気しづらい季節は、除湿剤を有効活用しましょう。置くタイプの除湿剤なら、湿気がたまりやすいクローゼットの下や空気が滞留する四隅に置くと効果的です。

汗を吸収した衣類には、ハンガーに吊り下げるタイプの除湿剤もおすすめ。「備長炭ドライペット クローゼット用」を吊り下げておけば、並んでいる服の湿気を取って、こもったニオイも消臭します。

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