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早起きをするのが苦手です。良質な睡眠をとって、すっきり目覚める方法はありますか?

お弁当や朝食作りなど、主婦は誰よりも早起きをしなければなりません。育児や家事で忙しく、十分な睡眠がとれずに朝すっきり起きられなかったり、早起きをするのが苦手だと感じている人も多いと思います。そこで今回は、快眠セラピストの三橋美穂さんに、良質な睡眠をとって朝スッキリ目覚めるコツや、最近話題となっている睡眠負債がもたらす影響についてお聞きしました。

スッキリ起きられないのは睡眠の質や量が原因

朝スッキリ目覚められない理由には、睡眠時間が短い、眠りが浅いなど睡眠の質や量が関係しています。三橋さんによると、日本の女性は世界で最も睡眠が少ないことが分かっており、主婦の方は特に、家事に育児で十分な睡眠がとれていない場合が多いそうです。

睡眠の質や量は、「快眠」にどのような影響を与えているのでしょうか。睡眠には、脳が活発に動いて記憶の整理をする「レム睡眠」と、脳を休ませる深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。

特に寝始めの深いノンレム睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。レム睡眠とノンレム睡眠は、寝始めてから起きるまでに、およそ4~5回交互に現れます。どちらの睡眠も大切で、バランスよく繰り返すことで質の高い睡眠が得られます。しかし、寝始めに何度も目が覚めるなどして眠りが浅い状態が続いてしまうと、前半で必要な深いノンレム睡眠がとれません。また、睡眠時間が不十分だと、睡眠の後半に現れる「レム睡眠」が十分とれない状態になります。すると睡眠の質が悪くなり、疲れがとれずに、朝すっきり起きられなくなるのです。

睡眠不足が積み重なると「睡眠負債」に

日々の睡眠が足りないと、朝の目覚めが悪くなるだけでなく「睡眠負債」に陥ってしまうので、注意が必要です。「睡眠負債」とは、日々の睡眠不足が借金のように積み重なることで、生活や仕事の質が低下すること。集中力や記憶力が低下するだけでなく、病気のリスクが上昇したり、肥満や肌荒れ、くすみなどが起きやすくなるともいわれています。

そこで、睡眠負債のチェック項目を用意しました。1つでも当てはまるようであれば睡眠負債がたまっている可能性が高く、2つ以上でしたら、睡眠時間を見直す必要があります。

□ 午前中に眠気を感じる
□ 休日の起床時刻は、平日より2時間以上遅い
□ 電車の中や日中テレビを見ながら、よくうたた寝をする
□ 仕事や家事のケアレスミスが多い
□ イライラしやすく、小言が多くなった
□ 寝ても疲れが取れない

いかがでしたか?
理想的な睡眠時間は20~50代は7~8時間、シニア世代は6~7時間睡眠といわれていますが、個人差があるので、自分にあった睡眠時間を見つけることが大切です。自分の適切な睡眠時間を知るには、1週間ごとに睡眠時間を変えていくとわかりやすいです。まず、8時間睡眠を1週間続けてみて、翌週は7.5時間、翌々週は7時間と、1週間ごとに30分ずつ睡眠時間を短くし、日中のパフォーマンスを比較してみてください。昼間快適に過ごせる睡眠時間が、自分に合った適切な睡眠時間になります。

朝スッキリ目覚めるコツをご紹介

それでは、朝スッキリ起きるコツを4つご紹介します。目覚めの悪さに悩んでいる人や、より良い睡眠を目指している人はぜひ試してみてください。

1 体内時計を整える

不規則な生活が続いたり、寝る時間が日によって異なると、体内時計が乱れてしまいます。体内時計が乱れると、時差ボケと同じような状態になり、朝スッキリと起きられません。その場合、体内時計を整えることが大切です。体内時計は、太陽の光を浴びたり、朝食を摂ることでリセットされます。朝ゆっくり寝たい場合でも、できれば毎日決まった時間に太陽の光をあびて、朝食を摂って体内時計をリセットしましょう。その後で少し睡眠をとっても問題ありません。

2 日中は活動的に過ごし、疲れをためる

眠りが浅いと、良質な睡眠がとれません。深い睡眠をとるためには、日中に運動をしたり、体を動かして疲れをためることが大事。ただし、疲れてたからといって、夕方以降にうたた寝をしてしまうと夜眠れなくなってしまいます。昼寝をするなら午後3時までに20分以内にとどめてください。

3 体温のメリハリをつける

人は体温が下がるときに深い眠りにつくので、寝る前にしっかり体を温めて体温をあげることが大切です。手軽に体温を上げるには、入浴がおすすめ。就寝1時間前までに入浴を済ませておきましょう。

4 就寝前は脳をリラックス

寝る前に副交感神経が優位になると脳がリラックスして、良質な睡眠がとれます。スマホのブルーライトの光は脳を活性化させてしまうので、寝る前にスマホの画面を見るのは避けるようにしてください。ほかにも、コーヒーなどのカフェインや、タバコ、アルコール、夜食も睡眠を妨げる恐れがあります。夕飯は就寝の3時間前までに摂るようにし、夜食は量を少なめにするなどの工夫をしましょう。

また、心身ともにリラックスできるアイテムとして、アロマオイルなどを利用するのもおすすめです。

取材協力:快眠セラピスト/睡眠環境プランナー 三橋美穂さん

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでの20年間に、1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、特に枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計100万部を突破した。オフィシャルサイトはこちら

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