近年では、家族の一員として室内でペットと一緒に生活する人が増えており、可愛い反面、気になるのがペット特有のニオイです。大切なペットと快適に暮らすために、ニオイの原因を踏まえ、しっかり対策していくことが大切。エステーR&D本部研究戦略部の船橋一良研究員が、犬と猫それぞれのニオイの傾向やニオイ対策のポイントを紹介します。
ペットの体臭か? 尿や糞のニオイか?
ペット特有のニオイの主な正体は、「動物の体から出るニオイ」と、「動物の排せつ物から出るニオイ」です。それぞれの対策を整理しましょう。
体から出るニオイは、動物の汗臭やそもそも持っている体臭です。ペットが室内を動き回ることで、部屋全体にニオイが広がっていきます。
特に、カーペットやソファ、カーテン布製品には、汗や体臭がつきやすく、ニオイの発生源になります。そのため、洗えるものはこまめに洗濯することが、ニオイ対策となります。
ソファなどが洗えない場合は、ペットが直接寝たり座ったりできないよう、洗濯できるラグやシートを敷いておくとよいでしょう。
排せつ物のニオイケアは、トイレシートを排せつ後できるだけ早く交換することが大事です。糞や尿を放置するとニオイ成分が飛散し、近くのマットやカーテンにも移ってしまうからです。
また、尿が壁や床に付いてしまったら、できるだけ早く拭き取ってください。
最近は共働きの家庭も多いので、トイレシートをすぐに交換するのが難しいという場合も多いでしょう。消臭や脱臭効果のあるトイレシートやペット用の消臭剤を使うのも効果的です。
犬は体臭、猫は尿臭が強い
同じペットでも、犬と猫では体臭や排泄物のニオイが異なります。ペットに合わせたニオイケアもおさえておきましょう。
犬の体臭は、「アポクリン腺」という汗腺から分泌される、脂質やタンパク質を含む汗が主な原因です。この汗腺は人間のわきの下などにもあり、ワキガ臭がこれにあたります。定期的にペット用のシャンプーで洗ってあげることで、抑えることができます。
犬に比べると、猫には体臭がほとんどありません。ネコ科の動物は、獲物を捕らえるときに、自分のニオイを消す必要があるためだそうです。
一方で、猫は尿のニオイが強くなります。
犬が水をたくさん飲むのに比べ、猫はあまり飲みません。これは、猫がもともと砂漠のような乾燥地帯で暮らしていた名残と言われています。少ない水分に多くの老廃物を凝縮してしまうため、猫の尿はニオイが強いのです。
そのため、猫を飼っている方は、トイレ周りの掃除や消臭を重点的に行ってください。
換気はこまめに。強いニオイでごまかすのはNG
いずれにしても、ペットのニオイ対策にこまめな換気は欠かせません。特に、雨の日や寒い日は窓を閉めっきりにして、空気がこもりがちになります。天候のよい日を見計らい、しっかりと換気をしましょう。暑くジメジメした日は、微生物の働きが活発になることに加え、人間の嗅覚が敏感になるため、悪臭がより強く感じられます。
ペットのニオイでお困りの家庭では、アロマを焚いたり、必要以上に芳香剤を置いて悪臭を消そうとしているケースがあります。しかし、嫌なニオイに、強い香りをかぶせてごまかすのは得策ではありません。強いニオイ同士が合わさり、もっと嫌なニオイになる可能性があるのです。
一緒に暮らすペットに配慮したニオイ対策を
犬の嗅覚は人のおよそ1000倍~1億倍、猫の嗅覚は人のおよそ20万倍以上と言われています。また、一般的に犬と猫は共通して柑橘系の強い香りなどが苦手とも言われています。ニオイ対策に消臭芳香剤を使用する際は、強い香りのするものや柑橘系の香りのものは避けた方がよいでしょう。ペットのニオイに特化した専用の消臭芳香剤もあるので、ペットが触れて倒したりする心配のない場所に置くなど配慮しながら、ぜひ活用してください。
専用の消臭芳香剤でペットのニオイ対策
「玄関・リビング用 消臭力 ペット用 フルーティーガーデン」は、ペットの気になるニオイをしっかり消臭する専用処方の消臭芳香剤です。悪臭を香りの一部として取り込むことで、調和したいい香りに変える「ペアリング消臭」という原理を採用し、ほのかな香りでもしっかりと消臭することができます。ペットにやさしい爽やかなグリーンアップルとペアーの香りです。
※本記事は、2020年3月に公開した内容の一部をリニューアルしています。