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「除菌応援プロジェクト発表会&ホテル衛生対策セミナー」イベントレポート ~グランドニッコー東京ベイ 舞浜の取り組みとは?

2021年7月15日、エステーはたくさんのメディアを招いて、「除菌応援プロジェクト発表会&ホテル衛生対策セミナー」を開催しました。会場は昨年リニューアルオープンしたグランドニッコー東京ベイ 舞浜。ホテルの感染対策をテーマに開催されたセミナー、ワークショップの様子をレポートします。

エステーの「除菌応援プロジェクト」とは?

まずはエステーのビジネス開発事業部事業部長の岡部豊が登壇し、「除菌応援プロジェクト」の概要をプレゼンテーションしました。岡部は「オリンピック/パラリンピック開催、夏休みなどで人流の増加が見込まれ、ワクチン普及にはもう少し時間がかかる」とし、継続した衛生対策の必要性を提起しました。

エステーの調査では、職場内で約70%の人が感染対策を続けることにストレスを感じており、約60%が感染対策への意識低下、気の緩みを感じていることがわかりました。岡部は「ルールによる対策には限界があり、一人ひとりの行動変容がカギ」と指摘しました。

また、宿泊業に従事する方へ行った調査では、約73%がお客様とのコミュニケーションが減り、約76%が除菌作業に負担を感じています。「正しく、効率的な感染対策の啓蒙が必要」としました。

エステーは業務用除菌剤「Dr.CLEAN⁺」を販売する中で、宿泊業をはじめさまざまな現場の衛生対策の課題を聞いてきました。
そこで、今回働く現場が前向きで持続可能な「衛生対策」に取り組めるようサポートするために「除菌応援プロジェクト」を始動したことを紹介しました。プロジェクトの活動として、2つの取り組みについて説明しました。

ひとつめは、一人ひとりの感染対策への行動変容を促す取り組みです。対策疲れを解消し、オフィスの空気をかえるガイドブック「オフィスの衛生対策はルールから思いやりへ」を制作しました(詳しくはこちら)。

ふたつめが、清掃のプロ松本忠男さんによる「ホテル衛生対策セミナー」の実施です。グランドニッコー東京ベイ 舞浜のスタッフさんと一緒に、正しく、効率的な清掃の方法を考えていきました。

Dr.CLEAN⁺とは

エステーの業務用除菌剤「Dr.CLEAN⁺」は、除菌剤+抗菌コーティング剤で、「除菌作業の負担が重い」「充分な対策ができない」といった課題を解決。宿泊施設のように不特定多数が訪れる場所の除菌対策に最適です。
商品について詳しくはこちら。

コロナ禍でオープン延期、手探りの衛生対策

続いて登壇したのは、グランドニッコー東京ベイ 舞浜営業企画シニアマネージャーの白川雄一さん。本来は2020年5月に、前身の東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾートからのリブランドオープンを予定していましたが、コロナ禍により東京ディズニーリゾート®が休業。7月までのオープン延期を余儀なくされました。

当然求められる衛生対策も「手探りの中でのスタート」だったと振り返ります。特に課題となったのが、これまでのサービスやおもてなしをどのように行っていくかという点です。
グランドニッコー東京ベイ 舞浜では、マスクだからこそ目元でしっかり微笑む、限られたゲストへの落ち着いた対応など、接客の方法を工夫しました。特に、これまで人気だったブッフェを、好きなものを何度でも注文できる「安心オーダーブッフェ」に切りかえたところ、好評を得たといいます。

ゲストが紙に書いてオーダーするシステムで、料理はスタッフが席まで運んでくれます。1品ずつの量を抑え、多くの種類を食べられるようにしたり、美しい盛り付けにもこだわり、お客様が安心して食事を楽しめるように工夫をこらしました。
その結果、お客様の満足度も高く、通常のブッフェ以上に、ゲストとスタッフの接点が増えたことでサービスの向上にもつながったそうです。

除菌・清掃作業では「Dr.CLEAN⁺」を導入。以前は1日に何度もアルコール除菌を繰り返す状態でしたが、清掃時間が短縮し、スタッフの負担が軽減されるとともに、接客に一層力を入れることができるようになりました。また、アルコール使用量が減ったことで、コスト削減にもつながっています。

「拭き方」でまったく異なる衛生環境を可視化

最後に、医療機関の環境衛生を手がけてきたプラナの代表取締役社長松本忠男さんが、正しい除菌、清掃の方法をレクチャーしました。蛍光塗料を使用して、手についた汚れの広がりや、拭き掃除したときの汚れの残りを可視化するなど、「間違った拭き方」「正しい拭き方」による違いを分かりやすく説明しました。

松本さんが提起する課題は次の3つです。

①正しい清掃とは「見た目がキレイになる」清掃ではなく、「人が健康でいられる清潔な状態に環境を整える」清掃のこと

②拭き方が間違っていると、キレイに見えても見えない汚れが残ってしまい、それどころか、その汚れをまき散らし、広げてしまう可能性も

③ポイントは「アルコールをシュッシュするだけではなく、正しく拭くこととセットで、効率よくその場所から汚れの量を減らすこと

松本さんは、拭き方によって汚れの回収量がまったく異なることを示しました。推奨するのは、「乾拭きの一方向拭き」です。

よくやりがちな「グルグル拭き」、「ゴシゴシ(往復)拭き」では、汚れをうまく回収できず、かえって広げてしまう場合があると説明しました。
また、「水拭き」にも注意が必要で、水分に混じって汚れが拡散する可能性があることを指摘し、「水拭きの往復拭き」で汚れが増幅する実験データも示しました。

正しい拭き方は、常に布巾などの一面を進行方向に向けて拭く「一方向拭き」。汚れを広げることなく、上手に汚れを回収できます。

さらに、ワークショップでは、ホテル内の客室やレストランで、「Dr.CLEAN⁺」を使用し、作業効率を高める拭き方を実践しました。
除菌する場所が多い客室は、効率化がポイントになります。松本さんは、楽に効率よく清掃できるアイテムとして、マイクロファイバー製の手袋を提案。ドアノブやテレビリモコンなどの細かいところを、指を使って清掃でき、作業時間の短縮にもつながります。

レストランでは飛沫による感染リスクの高いテーブルやいすをメインに除菌方法をレクチャー。
ホテル側からは、ドリンクバー前の手袋設置やメニューの紙への仕様変更など、コロナ禍ならではのホテルの感染対策が紹介されました。

まとめ

松本さんは、科学的な清掃方法を体系化した清掃「福育」モデルを提唱しています。「福」には「拭く」をかけており、「拭くことで、社会に福を招く。人を育てる。人に寄り添う」がモットーです。
松本さんとともに、エステーは「福育」モデルをたくさんの人に知っていただく活動を続けます。見た目をキレイにするだけではない、大切な人の笑顔をみすえた衛生対策で、社会をより良くすることを目指します。

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