
「湿気が気になる」という声が多かった水まわりやふとん、収納の対策を、藤原さんにお聞きしました。

【お風呂、洗面所】水まわりの頑固なカビは塩素系カビ取りジェルで
水を使うお風呂や洗面所は、ただでさえカビやすいもの。特にお風呂は湿気が多いので、できれば梅雨時は換気扇を24時間回して空気を入れ換えてください。
頑固なカビには、塩素系のカビ取り剤が効果的。漂白剤にも使われている「次亜塩素酸ナトリウム」という強力な成分がカビを殺し、目地などもきれいにしてくれます。ただし、強力なカビ取り剤は手や顔に触れたり、目に入ると害があるので使用方法にそって使ってください。
藤原さんのおすすめはジェルタイプのカビ取り剤。液だれしにくいのでうっかり体に付けたり、関係ない所まで漂白したりするリスクが低いのです。
現実的には、カビ取り剤で毎日掃除するのは大変です。カビを見つけたら、エタノールで拭き取るだけでも増殖を防げます。日ごろから、こまめなお手入れが重要なのです。
石けんカスや洗剤のすすぎ残りはカビの栄養になるので、普段の掃除の際はしっかり洗い流しましょう。シャワーなどで乱暴に水をかけるのも、カビの胞子を飛散させるので逆効果です。
見えないフロ釜の汚れも忘れずに!!
お風呂と言えば、フロ釜の汚れも気になります。目が届きませんが、汚れや菌がたまりやすい場所です。手で落とせないので、専用のクリーナーで洗浄し、清潔に保ちましょう。
【ふとん】雨が続いたら室内でエアコン干しを
万年床のふとんは汗や結露で湿りやすくなります。敷きっぱなしにしないことが最低限の湿気対策です。
天日干しできればベストですが、天気や時間の都合で難しければ、室内での「エアコン干し」がおすすめ。ふとんを椅子などにかけて、冷房を23~25度程度に設定。部屋の温度が下がり、ふとんも干すことができます。
ふとん専用の除湿シートも、とても便利です。ふとんやマットの湿気を、ある程度吸ってくれます。とはいえ、除湿シートも長期間敷きっぱなしにするのはNG。湿気を吸収したら、晴れた日に天日で干してください。
【押し入れ、クローゼット】湿気に弱い衣類は高いところに収納する
湿気をふくんだ空気は重く、下にたまります。収納スペースには、湿気に強いものを下に、弱いものを上に入れます。押し入れなら、ふとんや衣類は上段に、下段には家電や家具をしまいましょう。
たんすの場合、綿やジーンズなど比較的湿気に強い衣類は下の引き出しに、ウールやシルクは上のほうにしまいます。特に下の引き出しは、天気の良い日にしばらく開けっ放しにして、空気を入れ替えてください。
押し入れ、クローゼットは換気が悪く、湿気のたまりやすい場所。反面、密閉された狭いスペースのほうが除湿剤は効くので、ぜひ活用してください。
現代の住宅はプラスチックの密閉容器のようなもの
湿度の高い日本では、湿気をためない風通しの良い木造家屋が主流でした。ところが現代は、空調が効く密閉性の高い住宅が良いとされています。昔の家が竹カゴなら、現代の家はプラスチックの密閉容器のようなもの。自然の換気はむずかしい家が多いのです。
お風呂のおすすめアイテム
ふとんのおすすめアイテム
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プロフィール
住宅メーカーの営業出身で、おうちのお掃除から建築基準法まで知り尽くす、住まい全般のスペシャリスト。執筆、取材、講演会などを行うなか、3人姉妹の母としても忙しい毎日を送っている。「ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!」「この一冊ですべてがわかる-家事きほん新事典」など著、監修書多数。