季節のくらし

初心者でもチャレンジできる!家族で楽しむファミリーキャンプのすすめ

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初心者でも楽しめる!ファミリーキャンプの始め方

自然の中で家族と楽しみながら絆を深め、様々な経験ができるファミリーキャンプ。しかし、ファミリーキャンプはもちろん、キャンプ自体のハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。そこで、NPO法人国際自然大学校やNPO法人東京都キャンプ協会などの理事を務める佐藤繁一さんに、ファミリーキャンプの魅力や、安全・快適に楽しむためのポイントを教えていただきました。
NPO法人国際自然大学校/理事
佐藤繁一さん
プロフィール

プロフィール

NPO法人国際自然大学校/理事
佐藤繁一さん
NPO法人国際自然大学校/理事、NPO法人自然体験活動推進協議会/理事、NPO法人東京都キャンプ協会理事/JAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD運営委員 他
アドベンチャー教育、環境教育などのプログラムをプロデュース。企業や団体向けに自然体験活動を活用した人材育成事業や安全管理についての講演などもおこなっている。専門は、キャンプ、アウトドア料理、アウトドア活動のリスクマネジメント。

国際自然大学校:https://www.nots.gr.jp/
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ファミリーキャンプの魅力

キャンプで自然に触れ合いながら過ごす非日常な体験は、子どもにとって様々な刺激となり、成長のきっかけとなります。親にとってもファミリーキャンプは、子どもの新たな一面や、日々の生活とは違った成長や変化をみられる機会となります。

ファミリーキャンプを家族にとってより良い時間にするには、親が一方的に教えるばかりではなく、子どもと一緒に考えながらチャレンジすることが大切。慣れない野外のキャンプでは、ときに思い通りにいかなかったり失敗したりすることもありますが、「失敗も経験」くらいのおおらかな気持ちで楽しみましょう。親子がコミュニケーションをとりながら一緒に取り組むことで、家族の絆を深めるかけがいのない時間を過ごすことができるでしょう。

初心者はテーマを決めた日帰りの「デイキャンプ」からスタート

ファミリーキャンプは、キャンプに慣れている方であればチャレンジしやすいですが、キャンプ初心者の方にとってみては、一から始めるのは難しいと思う方が多いのではないでしょうか。キャンプ自体初めての方は、宿泊はせず日帰りで楽しむ「デイキャンプ」から始めるのがおすすめ。デイキャンプなら、テントや寝袋などの道具がなくても、手軽にチャレンジすることができます。

デイキャンプの楽しみ方は様々ですが、まずは一つ、テーマを決めて出かけてみるのがおすすめ。例えば、「カセットコンロを持って行き、お湯を沸かしてカップスープを作ってみる」、「家で子どもと一緒にホットサンドを作ってみて、それをキャンプ場でもやってみる」など、野外で子どもと一緒にやってみたいことを考えて、簡単なことからやってみると良いでしょう。

デイキャンプに慣れたらキャンプ泊にも挑戦

キャンプ初心者の方であれば、デイキャンプに慣れてから、次のステップとして泊まりがけのキャンプに挑戦するのがおすすめです。

宿泊を伴うキャンプをするには、それなりの準備が必要です。最低限必要なのがテント、寝袋、マット、ランタン、コンロ、クーラーボックスなど。さらに、食事の準備にはカセットコンロや調理器具、食器類がいりますし、快適にキャンプを過ごすためには、タープやいす、テーブルなども必要です。

一気にすべての道具を揃えるのは大変なので、はじめのうちはキャンプ場でのレンタルサービスを活用するのも手。また、調理器具や食器類などは、家にあるものを上手に活用すると良いでしょう。

さらに、テント設営や火おこしなどの基本的なアウトドアスキルも前もって身につけておけるとベター。自治体や青少年教育施設、アウトドアショップなどで、キャンプに関する知識が学べる講習会が開催されているので、キャンプに行く前にそういったイベントに参加してみるのもおすすめです。初めて体験する子どもの半歩先を歩けるように、予習をしておけると安心です。

ファミリーキャンプのおすすめの遊び方・過ごし方

ファミリーキャンプで子どもと一緒に楽しめる遊びや過ごし方を紹介します。

キャンプ場によっては、禁止事項や立入禁止区域などが定められていることもあります。ファミリーキャンプに限らず、キャンプをするときには、ルールを確認したうえで、マナーを守って自然環境に配慮しながら楽しむことを常に忘れないようにしましょう。

自然と触れ合いながらアクティブに遊ぶ

●生きものの生態や命の大切さに気づける昆虫採集

子どもにとって、昆虫採集は生きものの生態や命の大切さに気づくチャンス。大人は虫を嫌なものとしてつい避けてしまいがちですが、親が嫌がるそぶりを見せると、子どもも親の顔色を窺ってしまいます。親は、子どもが興味を持ったものに、拒否反応を示さないようにしましょう。子どもの好奇心に蓋をせず、子どもがどんなことに興味を持っているか観察してコミュニケーションをとると良いでしょう。

●冷たい水が気持ち良い川遊び

暖かい季節であれば、川遊びも良い思い出になるでしょう。水の流れや冷たさを肌で感じ、生き物の気配や水のにおいを感じられて、自然に向き合うきっかけになります。

川に入るときは、子どもも親も必ずライフジャケットを着用してください。靴はビーチサンダルではなく、マリンシューズなどかかとが固定されている靴を履くようにしましょう。

親は、万が一子どもが流されそうになったときのために下流側で見守るようにしましょう。もちろん、お酒を飲んで水に入るのは厳禁です。もう一つ注意したいのが、例えばゴーグルなど、何かが水に流されてしまったときの対応。流されたものは、無理に追わないことが大切です。子どもが誤って流してしまったときも、親は怒らないこと。無理に追いかけると溺れてしまうリスクが高まります。物が流されても追いかけないというルールを家族で前もって共有しておくようにしましょう。

●開放感抜群なフリスビーやボール遊び

キャンプだからといって、無理にアウトドアらしいことをしなくてもOK。広くて見晴らしが良いキャンプ場であれば、フリスビーやボールなどを使った遊びも、近所の公園とは違う開放感があって楽しいもの。ただし、フリスビーやボールなどを使った遊びに制限があったり禁止になっていたりするキャンプ場もあるため、事前にチェックしておきましょう。

親子で一緒に簡単な料理にチャレンジ

親子で一緒に料理にチャレンジするのも良い経験になります。キャンプだからといって特別凝ったものにしなくてもいいですし、多少失敗をしたとしても、初めてのキャンプでは、外で食事をすること自体が楽しいものです。

例えば、ご飯はお鍋や飯ごうで炊き、カレーはレトルトを持参して温めて食べるなど、無理のない範囲で楽しんでやってみると良いでしょう。他にも、“キャンプ飯”の定番の一つのホットサンドを、家で親子で作ってみて、どんな具材が美味しいか試してみてから、キャンプでチャレンジするのもおすすめです。

キャンプならではの焚き火を楽しむ

焚き火はキャンプの醍醐味の一つです。焚き火の炎は寒さをやわらげ温もりを与えてくれますし、焚き火を眺めることで癒しやリラックス効果が得られると言われています。さらに、子どもにとって焚き火は火に接して学ぶことができる貴重な場です。

IHクッキングヒーターの普及により、子どもたちが日常生活で「火」を見る機会が減少しています。火を見慣れていない子どもは、火を触ろうとして不意に手を近づけたりする恐れもあります。火を使う目的や危険性など、子どもが知らないことをやさしく教えてあげてください。また、「薪を集める係」「火を絶やさないために薪をくべる係」など、計画性や責任感が芽生える役割を子どもに与えてあげましょう。

焚き火をするときは、服装や道具にも注意を。服装や軍手は熱に弱いポリエステルなどの素材を避け、綿100%の素材のものを選びましょう。「薪をくべるときは軍手をして火ばさみを使ってね」とルールを決めれば、子どもが決まり事を覚えて守ろうとする意識も高まります。

ファミリーキャンプを安全・快適に楽しむためのポイント

キャンプ中には、怪我や事故など、思わぬトラブルに遭う恐れも。行く前の準備やキャンプ場で意識したいポイントを紹介します。

家族に合ったキャンプ場選びをする

キャンプを安全かつ快適に楽しむためには、キャンプ場の選び方も大切。キャンプ場の設備やサービスは場所によって異なるので、キャンプ場のホームページやポータルサイトなどでチェックしておきましょう。

チェックするポイントは、例えばスタッフが常駐しているか。スタッフが24時間常駐していれば、夜中や早朝にトラブルがあっても相談しやすいでしょう。また、道具をレンタルできたり食材を販売していたりするキャンプ場であれば、少ない荷物で行くことができます。意外と見落としがちなのがトイレ。トイレがあまりきれいでなかったり不便だったりすると、子どもがトイレを嫌がることもあるので、トイレの清潔さは重要なチェックポイントです。それ以外にも、車がなければ電車やバスなどの公共交通機関で行けるキャンプ場を選ぶなど、家族の都合やファミリーキャンプでやりたいことに合ったキャンプ場を探してみてください。

怪我や事故に備えて準備

擦り傷や切り傷ができたり、トゲが刺さったりするのはキャンプでよくある怪我です。絆創膏や毛抜きなどが入ったファーストエイドのアイテムや、傷口を洗える清潔な水は事前に用意しておくようにしましょう。また、キャンプ場の近くにある病院やその診療時間、事故が起きたときの緊急連絡先などもチェックを。疑問点は、事前にキャンプ場に確認しておくと良いでしょう。

子どもから常に目を離さず親子で一緒に行動を

キャンプで起こってしまいがちな事故として、親がテント設営や火おこしなどの作業をしている間に子どもから目を離してしまい、その結果、迷子になったり怪我をするケースが見られます。子どもは一人にせず、常に目を離さないように気をつけてください。テントの設営など準備に時間がかかると子どもは飽きてきてしまうこともありますが、子どもにも作業を手伝ってもらって、遊ぶときは親子で一緒に行動しましょう。日常生活と一緒で、「やることをやってから遊ぶ」を守って過ごさせることが大事です。

天候を確認して快適なキャンプを

初めてのキャンプは、真夏の暑すぎる日や冬の極端に寒い日は避け、春や秋の過ごしやすいシーズンに行くのがおすすめです。朝晩は冷え込むこともあるので、キャンプする場所の当日の天気や気温も行く前に確認を。キャンプ中に天候が悪化して荒天になったときは、無理に留まるのではなく、早めに切り上げることも検討しましょう。服装は特別なものである必要はなく、気候に合わせた動きやすい服や靴を選べば問題ありませんが、火を扱うのであれば綿のものなど燃えにくい素材のものにしましょう。また、虫刺され、日焼けなどの予防には肌の露出を避けると良いでしょう。

キャンプの寒さ対策にカイロを活用

日中温かく過ごしやすい日でも、朝晩冷え込むこともあるためキャンプでは防寒対策を忘れずに。温かく快適に過ごすために、カイロを活用すると良いでしょう。

はるオンパックス」は長時間安定した温度が持続する、貼るタイプのカイロです。寒さを感じる時に、腰回りや肩甲骨の間などに貼るのがおすすめです。「貼らないオンパックス」は貼らないタイプのカイロで、ポケットに入れておけば手や指先などの冷えた場所をすぐに温められます。

低温やけどを防ぐために就寝時は使用しないなど、使い方を守った上で、上手に活用してキャンプ時間を温かく快適に過ごしましょう。