1.家事シェアは「しくみ」が大事
家事シェアは分担ではなく、誰でも家事ができるようにすること
最近注目されている「家事シェア」は、家事分担とは異なります。家事分担は、「ごみ捨て担当は子ども」「トイレ掃除担当はパパ」のように担当制度を設けることでした。家事シェアは「家族の誰かが家事をする。誰がやっても同じ結果になる」というもの。
例えば、「洗濯機のスイッチを入れる」という家事に対して、担当者を決めるのではなく「その日最後にお風呂から出た人」と決めておきます。家族全員が実施方法を把握する必要があるものの、急いでいるときも頼みやすく、頼まれたほうもやり方が明確なのですぐに取り掛かれます。
いきなり頼まないで! 導入のためのスリーステップ
導入のためには、いきなり家事をやるのではなく、段階的に進めていくのがポイントです。
1.仕組み化:
家事方法を根本から見直すために、家事の仕組みをつくり、誰でも同じことができる状態にする
2.モノを減らす:
「時短」を意識するために、家の中のモノを減らし、家事がしやすい状態にする
3.家族へ声掛け:
最後に家族の自主性を引き出すために、家族への声がけを工夫し、家族が協力しやすい状態にする
具体的には後述しますが、家族と一緒に「仕組み」を作れば、伝える手間も省けます。失敗しがちなのは、行き当たりばったりでやっている家事を家族にお願いしようとするパターン。まずは失敗しないためにも、ルールを決めるところからスタートです。
時短家電や便利グッズを上手に使って時短に
家事シェアには、ムダを減らして、できるだけ家事を時短することが欠かせないステップです。そのために、時短家電や便利グッズを上手に活用しましょう。香村さんによると、もっとも時間のかかる家事は「洗濯」と「料理」なのだそう。洗濯は、ドラム式乾燥機付き洗濯機や、洗濯機にマグネシウムの粒を入れっぱなしにして汚れを落とすグッズなどを使うと便利。スイッチオンするだけで洗濯が済み、子どもが洗剤を入れ忘れても問題ありません。
また、料理は電気調理なべや電子レンジなどを上手に使い、後片付けを減らすためにワンプレート料理にして洗う食器の数を減らす、食器洗い乾燥機を使うといった工夫で手間を省きましょう。
2.トイレ掃除や洗濯の家事シェア具体例
家事シェアとは、まず家事を「仕組み化する」ところから。……とはいえ、どんなふうに仕組みを作ればいいかよくわからない人も多いのではないでしょうか。具体的な例を紹介します。
洗濯を3ステップで家事シェアする
まずは、洗濯の仕組みを作ります。そのために、「家族のだれがどうなったらスイッチをオンするのか?」を決めましょう。香村さんのご家庭では、「お風呂を最後に出た人」というのがルール。
次に、洗濯物の量を減らします。料理のときに割烹着を着て服が汚れるのを防ぎます。また、香村さんと旦那さんは衣類のレンタルサービスを利用しており、洗濯せずに返却できるので洗濯物の量を減らせます。
最後に、家族の自主性を促すために、香村さんのお宅では洗濯機の購入から設置、動作までを家族で一緒にやりました。ボタン操作などをママが教えてもらう立場になれば、家族の当事者意識が高まります。
トイレ掃除はトイレットペーパーを変えるタイミングで
トイレ掃除は、ウェットタイプのペーパータオルを使い捨てで使用するのがおすすめ。1日1回程度、気が付いたときに汚れが気になった部分を拭く程度でOK。
トイレの便器内は「洗浄力 モコ泡わトイレクリーナー」を使えば、スプレーして水を流すだけ。(※しつこい汚れはブラシ掃除も併用)2~3日に1回スプレーすればいいので、香村さんご家庭は「トイレットペーパーを取り換えた人がスプレーしよう」と決め、トイレットペーパーを入れておくボックスに入れることに。これなら忘れることもありません。
また、「少し紙が残った状態でも回収するルールにする」「芯を持ってきた人にはお菓子のプレゼント」といった工夫もできます。
3.「名もなき家事」や子どもとの家事シェアは?
近頃話題の「名もなき家事」。「トイレットペーパーを交換する」「乾いた食器を食器棚にしまう」「床やテーブルに散らかったモノを片付ける」といった、名前のついていない家事のことで、分担するのがなかなか難しいという特徴があります。また、子どもの学校の準備なども、仕組み化して楽にしたいもの。どうすれば家族みんなでシェアできるのか、その工夫を紹介します。
まずは「立派な家事」に昇格してルール化を
「名もなき家事」は、夫婦の間で認識が違っていることも。妻が「家族のために気を利かせてやってあげている家事」も、夫は「誰でもできる、家事とは呼べないほど大したことない作業」と考えているのかも。その差を埋めるためには、まず立派な家事に昇格させ、仕組み化しましょう。
例えば、トイレットペーパーを取り換えることをちゃんと家事として認識し、取り換えた人が「トイレットペーパー、ラスト2個です!」とアナウンスする。また、赤ちゃんのおむつ替えは、ウンチに気が付いた人が「ウンチだと思います!」と告げ、気が付かなかった人がおむつを交換する。……など。ゲーム感覚で楽しいルールを決めるのが大切なコツです。
また、「終わりの状態」をルール化しておくことも効果的。例えば、「家族全員が寝る前には、シンクに何も置かれていないようにする」と決めておけば、夫が帰宅後にシンクに物が残っていたら洗うことになります。
ほかにも、「夜8時以降に床に落ちているものは、必要ないとみなして捨てる」と決めておけば、家族が時間になると自主的に片づけを始めるのだそう。
いずれも、キッチンやリビングなどの「片付いた状態」をあらかじめ撮影して写真で共有することで、家族みんなが協力しやすくなります。
子どもの学校の準備は仕組みを一緒に作るところから
子どもが学校の準備をスムーズに行うためにも、まずは一緒に仕組みを作っていきましょう。例えば、
- 教科ごとに持ち物をグループ化。例えば「国語は赤いシールの教材で、全部で3冊ある」とわかるようにしておく
- 毎回忘れやすいティッシュやマスクなどは学校の道具箱に置いておく
- 家を出る前に玄関で「マスクOK! 水筒OK」と指さし確認をする
など、子どもに合わせて決めて行くとよいでしょう。
寝る前のやるべきことをすべて仕組み化しておけば、どれくらい時間がかかるかわかります。寝る時間から逆算して準備を始めることができるはず。うまくいかなかったら、子どもを責めずに仕組みを見直しましょう。
スプレーが楽しい! 子どもも簡単上履き洗い
毎週の上履き洗い、子どもが楽しく取り組めるといいですよね。シュッとスプレーするだけで泡になる「洗浄力 おひさまの洗たく くつクリーナー」を取り入れてみては? 「香りもよくて、スプレーが楽しいので子どもも楽しみながら洗えます」と香村さん。「金曜日には上履きを出してシュッシュまでやる」と家事シェアしているそう。光漂白成分で、明るい場所で干すことによりしつこい汚れを分解します。