季節のくらし

キッチンが使いやすくなる おいしい&楽しい整理収納術

1.キッチンの整理収納術(基本編)

毎日使うキッチン。使いやすく整理収納できれば、気持ちよさも効率もアップ! 食品には、適切な保存方法や見せる収納で、目にも舌にも「おいしい」食生活が実現しそう。収納スタイリストの吉川永里子さんに、おいしい&楽しい整理収納術をお伺いしました。まずは、必ず押さえるべき整理収納の基本からスタート!
吉川永里子さん
収納スタイリスト
吉川永里子さん
プロフィール
吉川永里子さん

プロフィール

収納スタイリスト
吉川永里子さん
2008年より収納スタイリストとして活動を開始。「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、ざっくばらんに整理収納について説く。
女性目線・ワーキングマザー目線で行う整理収納やライフスタイル提案が「無理しないスマートな暮らし」と、働く女性や主婦の間で話題に。メディアでのアドバイス以外の他に、個人のお客様のお宅へも積極的に伺う。講演・セミナー・ワークショップ・ラジオなど話す仕事も多く、テンポのいい分かりやすい言葉で片づけについて伝える。『もう探さない人生』『30日間片づけプログラム』など著書多数。
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整理収納「基本編」

具体的なノウハウを知る前に、整理収納の基本を押さえておきましょう。実は「整理」→「収納」→「循環」の順番で進めていかないと、キレイな状態をキープすることはできません。この3つは、キッチンだけでなく、すべての整理収納の基本となります。

・整理

すべてのものを収納場所から外に出し、使うもの/使わないものに分けます。消費期限を過ぎている食品や、使わないキッチンツールは処分します。「使わない」の判断基準は、「過去1年に使ったかどうか」。なぜなら、おせち料理のお重やクリスマスグッズなど、年に一度しか使わないものもあるから。
1年以上使っていないにもかかわらず捨てたくないものがあったら、「保留」の箱や袋を用意して別の場所に置いておきます。「時間が経つと、気持ちの整理が付いて捨てられるタイミングがやってきます」と吉川さん。

・収納

「整理」で分けた「使っているもの」を使いやすい状態に収めます。収納するためのテクニックはこの後にご紹介。

・循環

日々の生活で大事なのが「循環」です。当然ですが、使ったものを元の場所に戻すこと。さらに、新しいものを購入したら、その分捨てる必要があります。収納スペースは有限ですから、ものが増えすぎないようにしましょう。

便利なグッズを活用する

収納スペースを有効に使うために、グッズを上手に活用しましょう。ここでは、吉川さんオススメのグッズをご紹介します。

・コの字ラック

高さのある収納スペースを上下に分けて使えるので、デッドスペースが減らせます。100円ショップなどにもあるものの強度がやや心配。重い鍋や食器を上に置く場合には、キッチンツールのメーカーなどから販売されているものが安心です。

・トレー

コの字ラックなどの下には、物を直接置かずにトレーを利用して。一度に引き出せるので、奥のものを取り出すときに手間がかかりません。

・ファイルボックス

書類などを収納するためのファイルボックスは、キッチンでも重宝します。フライパンや鍋のふた、大きなお皿を立ててしまうのにぴったり。油や調味料もすっきりまとめて収納でき、小さなスキマにも置けるので省スペース。

・カゴなど

高い場所などには、軽くて出し入れしやすいカゴを利用して用途ごとに分類しましょう。戸があるなら100円ショップのものでOK。外から見える棚などはちょっとおしゃれなアイテムをチョイスすると「見せる収納」に。

ラベリングが「循環」をスムーズに

使うものを用途ごとに収納したら、中身がわかるようにラベリングを忘れずに。ラベルには透明テプラが便利です。マスキングテープやラベル用シールにペンで書いてもOK。容器は中身が見えるように透明なものがおすすめです。
ラベリングすると、探しものがなくなり、取り出しやすく、しまいやすくなります。さらに決められた場所にしまいたくなるというメリットもあるので、「スペースがいっぱいになったら捨てる」といった整理がしやすくなります。
また、とりあえず突っ込んでしまえるようなカゴや容器はつくらないこと。すべてのものにきちんと収納する場所を用意しましょう。

2.キッチンの整理収納術(道具編)

キッチンの調理道具やカトラリーは、使う場所に応じて整理するのがコツ! 必要なときにすぐ取り出せて、効率がアップします。また、場所が決まっているとしまいやすく、キレイな状態をキープできます。

キッチン・コンロ周りの収納(調理器具)

・切ったり盛りつけたりする作業スペースを確保

シンクやコンロ周りは、まず料理をする作業スペースを確保することが大前提。食器の水切りカゴなどが置きっぱなしでスペースが確保できないなら、別の場所に移動できないか検討しましょう。移動が難しければ、カゴを小さめにするなど、置きっ放しにできない状況を作るのも◎。食器を洗ったらすぐに拭いて片付けることで、次に料理がしやすくなります。

・収納場所は「水のコーナー」と「火のコーナー」を意識して

キッチン収納は、使用時の「動線」を重視し、「水のコーナー」と「火のコーナー」に分けましょう。

<水のコーナー>

基本的にどの家庭にもあるシンク下の収納。すぐに使えるように、水回りで使うものを収納します。ボウルやザル、洗剤などが基本です。

<火のコーナー>

お鍋やフライパン調理の際に使うものは、ガスレンジの下などに収納します。また、フライ返しやお玉などは、フックなどに吊しておくと使いやすいでしょう。さらに、吊すことで拭き掃除の邪魔にならないのも嬉しい点。吊す場所がなければ、ジャグ(口の広い水差し)などに入れてからガスレンジの下に収納しても。

食器棚(食器の置き方)

食器の収納は、使用頻度と高さを意識しましょう。毎日使うご飯茶碗や取り皿など使用頻度の高いものは、しゃがまずに手が届く範囲がベスト。少し使用頻度の低いものは、しゃがめば取り出せる下段へ。年に一度しか使わないようなものは上段へしまいます。ただし、重たいものや壊れやすいものは危険が伴うので、例外として下段に置くようにしましょう。

お皿を重ねる際は、2種類までに。下のものを取り出すときに上に載っているのが1種類なら片手で取れますが、2種類以上あると落としやすく危険です。もう一方の手で取り出す際、いったん別の場所に置かなくてはなりません。取り出すのもしまうのも面倒になるので避けましょう。

食器棚(カトラリー)

お箸やカトラリーは引き出しへ。種類ごと、サイズごとに小分けにするとごちゃごちゃしません。持ち手の部分を手前にしてしまいましょう。


シンク下には除湿剤を

シンク下収納の大敵は湿気。カビなどを予防するためにも、湿気対策を忘れないようにしましょう。特に、やむを得ず食品を収納する場合には欠かせません。「ドライペットコンパクト」は細長くコンパクトなので場所を取らず、また、容器内に液がたまっていくので取り替えの時期がわかりやすいのも嬉しいポイントです。

3.キッチンの整理収納術(食材編)

食材は基本的に期限があるものなので、長期間の保存は避け、循環がスムーズになるように収納したいもの。同時に、食材が悪くならない工夫もしておきましょう。

調味料や食材は「容器に入る分」だけ買う

食品は、必要最低限をストックするのが理想的です。塩や砂糖などの調味料も大容量タイプではなく、容器に入る分だけを購入しましょう。ストックがあるのを忘れて新しいものを購入してしまったり、開封したままストックして悪くなってしまうようなことが防げます。

別容器に入れ替えることで、使いやすく、美しく

・塩・砂糖・ミル用(こしょう・塩)・顆粒だし・わかめ・ごまなど

調味料は買ったままにせず、すぐに別容器に移し替えましょう。ガラスまたはプラスチックの透明容器なら、中身が見えて買い足しのタイミングを逃しません。円筒状の容器では、並べたときにスペースが有効に使えませんが、四角いものなら容量もたっぷりで、スキマなく収納できます。
調味料や頻繁に使う食材は、動線を考えてガスレンジの近くへ。見える場所に置くか、引き出しなどにしまいましょう。

・油やお酢など

ボトルに入った液状の調味料は、トレーやファイルボックスを利用して収納します。液だれしても棚が汚れず、掃除がしやすいのです。

・お米

できるだけ少量ずつ購入すると、毎日おいしく食べられます。ホーロー容器などに入れて冷暗所に保存しておくとおしゃれです。

お米は虫よけを忘れずに!

夏場はお米に虫が発生しやすいので、容器に移し替えたらお米の虫よけ「米唐番」を入れておきましょう。お米にニオイが付かず、唐辛子ゼリーが小さくなるので取り替え時期もひとめでわかります。

毎日使うお茶やシリアルは「見せる収納」を

コーヒー豆やお茶、シリアルなどは、おしゃれな瓶に入れて「見せる収納」もオススメ。キッチンやリビングの見える場所に置いても映えます。

乾物などの保管時は湿気に注意

スパゲティなどの麺類、かつおぶし、乾物などは、なかなか一度に使い切れないもの。開封したら、クリップで止めておくだけでは湿気が心配です。湿気で味が劣化する食材もあるので、密封できる袋や容器に入れ替えて、乾燥剤を入れておきましょう。
「ドライペット 乾燥キーパー」は食品まわりにも安心なシリカゲルタイプの乾燥剤。ビーズの色が変わることで使い終わりがひとめでわかるのも便利です。

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