1.今すぐできる“温活”のススメ
くらしの中のちょっとした工夫でできる「冷え」対策を山賀さんに聞きました!
あん摩マッサージ指圧師
女性はなぜ冷えやすいの?「冷え」の原因や肩こり・むくみと「冷え」の関係
なぜ、女性には冷え性の人が多いのでしょうか?
その理由は、「筋肉の量」にあります。「冷え」の主な原因のひとつに考えられるのが、「筋ポンプ作用」の低下。筋ポンプ作用とは、筋肉がポンプのように収縮することで、血液を手足から心臓に戻すメカニズムのことです。筋肉の機能が衰えて筋ポンプ作用がうまく働かないと、血流がカラダのすみずみまで届かず、血行が悪くなってカラダの「冷え」を引き起こします。男性に比べてもともと筋肉の量が少ない女性は、筋ポンプ作用が滞ってしまいがちなのです。
また、血行が悪くなると、肩こり・むくみなどの原因にもなります。特に、冬は寒さからカラダが冷えて筋肉が硬くなり、肩こりやむくみがさらに悪化するという悪循環を起こすため、カラダを温めて血行を改善することがとても大切です。
今すぐ実践できる“温活”3つのポイント
「冷え」や「肩こり・むくみ」を改善するためには、普段からカラダを温める”温活”を心がけて血行を良くすることが大切。すぐに実践できる”温活”のポイントを3つご紹介します
「冷え」や「肩こり・むくみ」を改善するためには、普段からカラダを温める”温活”を心がけて血行を良くすることが大切。すぐに実践できる”温活”のポイントを3つご紹介します。
①適度な運動やマッサージで、筋肉を動かす
筋肉を動かすことで、筋ポンプ作用の働きを活性化させることができます。激しいトレーニングや運動でなくても、「エレベーターを使わず階段を使う」「すきま時間や入浴時にセルフマッサージ」など、できることからはじめてみましょう。手足の先が冷えると感じる人は、意識的に手や足の指を動かすことを習慣にするだけでも、効果があります。
②カラダを温める食べ物・飲み物を選ぶ
生野菜、冷たい飲み物などカラダを冷やす食品を避け、生姜、にんにく、根菜など、カラダを温める食材、温かい飲み物を選びましょう。エネルギー源になる炭水化物やたんぱく質を極端に制限しすぎるのも、「冷え」の原因になるので気をつけてくださいね。
③薄着をやめ、冷えやすい場所をカバーする
女性は、おしゃれを気にするあまり、薄着になりがちですよね。でも、冷えを改善するためには、首、おなか、手、足などの冷えやすい部位はできるだけカバーし、カラダの熱を逃さないことが大切です。マフラーやストール、ひざ掛け、腹まき、手袋、タイツや靴下、レッグウォーマーなどを、上手に活用しましょう。
肩こり・むくみの解消におすすめのセルフマッサージ
index_il002胸から脇にかけての筋肉を、それぞれ反対側の手で脇をつかむようにして、親指でよくもみほぐしてみましょう。
直接肩こりとは関係なさそうな場所ですが、実はこの部分が原因で肩こりになることが多いのです。
むくみの解消におすすめ
・一日一回は、足を心臓より高くあげる
下半身の筋ポンプ作用を促すために、クッションや椅子などを使い、足を心臓より高く、上に上げてみましょう。その際に、足先をぐるぐる回したり、屈伸したり、筋肉を動かしてみると、さらに効果的です。
足首からふくらはぎ、太もも、おしりにかけて、ぎゅーっともちあげるようにゆっくりもみほぐします。石鹸をつけてすべりやすくするのがおすすめです。毎晩、お風呂に入るときに、両足それぞれ3回程度を目安に続けてみてください。
2.カラダを温めるツボ
毎日のつらい症状には、「冷え」に効果的なツボを刺激してみるのがおすすめです。知っておくと便利な「冷え」に効くツボを教えてもらいました!
押したり、温めたり、ツボに刺激を与えて、コンディションを整える
ツボは「エネルギーの通り道」のこと。ツボを刺激すれば、血液などの体液の循環がよくなることが知られています。ツボの位置は、人それぞれ。だいたいの場所を押してみて、「気持ちいいところ」や「ちょっと痛いところ」を探してみてください。ツボに刺激を与えることが基本なので、押したり、マッサージしたりするほか、温めてみるのもいいですね。
カラダを温める6つのツボ
カラダには様々なツボがあり、ツボによって「どのような症状に効果的なのか」は異なります。
カラダを温める6つのツボをご紹介します。「冷え」だけでなく「肩こり」「むくみ」の改善に効果的なツボもあるので、気になる悩みに合わせてチェックしてみてください。
「気海(きかい)」
おへそより指2本分下にあるツボ。「元気の源」ともいえるツボで、全身の血行を促しカラダを温める効果があります。季節を問わず、気海を温めることでコンディションが安定し、元気に過ごすことができます。
「合谷(ごうこく)」
人差し指と親指の骨が合流する所から、やや人差し指よりの、くぼんでいるところ。押してみて、ジーンと痛い箇所があったらそこが合谷です。歯の痛みなど顔全体に関わるツボですが、肩こりにも効果があり、手足の冷えを改善する作用も期待できます。
「大椎(だいつい)」
首筋の襟があたる部分で、骨が出ている部分のすぐ下にあります。大椎も全身を温めることができるツボで、首や肩のこりをやわらげる効果があるといわれています。気海と組み合わせると、より効果的です。
「三陰交(さんいんこう)」
内くるぶしの指4本分上で、骨の際にあるツボです。
下半身の冷え・むくみが気になるときだけでなく、生理痛・更年期障害などにも効果が期待できるといわれており、女性にとっては大切なツボなので、覚えておくと便利です。
「湧泉(ゆうせん)」
足裏の土踏まずのやや上の中央部、足の指を曲げたときに凹んだ場所が「湧泉」です。
冷えやむくみの改善に効果があるほか、筋肉疲労の回復にもよく効くツボです。足がむくんだり、疲れてしまった時は、湧泉を温めてみてください。
「気端(きたん)」
足先の冷えが特に気になる時には、足指の先端にある「気端」がおすすめ。
気端の先端をつまんでマッサージを行うことで、足先の冷えが改善できるほか、足湯やカイロなどで、温めても効果が期待できます。
じんわりツボを温めるには、使いすてカイロの活用がおすすめ!
日本でも昔から取り入れられてきた「お灸」や「鍼」は、ツボに刺激を与え、血行を改善するために有効な治療法のひとつ。けれども、「治療に通うほどの重症ではない」「気になるけど、(お灸や鍼は)ハードルが高い」という人も多いのでは?
そんな方には、使いすてカイロを使ったセルフケアがおすすめです! お灸と同じように、カイロでじんわりと持続的にツボを温めることでも、効果が期待できます。
3.使いすてカイロを賢く使おう
寒い冬に便利なアイテムといえば”使いすてカイロ”。場所を選ばないので、ツボを押したり、マッサージするよりも手軽に冷え対策ができるのがうれしいですね。
(取材協力:マイコール株式会社)
目的に合わせて、上手に使いすてカイロを使い分け
最近の使いすてカイロは、「貼るタイプ」「貼らないタイプ」のほか、大きさ(レギュラーサイズ、ミニサイズ)、さらに薄型で曲がってフィットするものや、肌に直接貼るタイプ、靴下、靴用など、さまざまなタイプがあります。賢く使い分けて、上手にカラダを温めましょう。
使用する際はカイロで温まった熱を逃さないために、膝かけ、服やくつ下、ストールなどで覆い、フタをすると、更に効果が高まります。
ツボに貼る!賢い使いすてカイロの選び方&使い方
「気海(きかい)」を温めるには、貼るタイプのミニサイズ
貼るタイプのミニサイズは薄くて小さいので、おなかに貼っても目立ちません。肌着やガードル、腹巻の上に貼って使うのがおすすめです。
「大椎(だいつい)」を温めるには、貼るタイプをマフラーやストールに忍ばせる
大椎のある首は、肌が露出することが多く、温めにくい場所。マフラーやストールなどに、貼るタイプを忍ばせて使うのがおすすめです
足首などの関節は、筋肉が少ないため、冷えやすい場所。ふつうの四角いカイロでは温めるのが難しいので、曲がってフィットする貼るタイプが最適です。タイツの上に貼って、靴下やレッグウォーマー、ロングブーツなどで隠すと、じんわりほかほか。
「湧泉(ゆうせん)」「気端(きたん)」は、靴下用、靴用、中敷きタイプの専用カイロで
足裏の「湧泉」を温めるのに最適なのが、靴の中敷きの形をした専用カイロ。本物の中敷きのように薄くて軽く、足裏全体が温まります。
つま先の「気端」を温めるには、「靴下やタイツに貼るタイプ」や「靴のつま先に置くタイプ」がおすすめです。
室内でできる、使いすてカイロの使い方アイディア
室内とはいえ、オフィスなどは意外に寒く、おうちでも足元だけ冷えてしまったり、ずっと座っているとカラダが冷え切ってしまいますよね。そんな時におすすめの、使いすてカイロの便利な使い方をご紹介します。
ひざ掛けやストールの内側にカイロを2枚貼ると、ポカポカ、即席コタツの出来上がり。
おしりが冷えるとき
椅子に敷く座布団の上にカイロを貼っておくと、即席ホットシートに変身!サイズによって温度調整もできます。ソフトな温感にはミニサイズを。
足が冷えるとき
パンツの裾の内側にカイロを貼るのもおすすめ。
直接肌に触れないよう、靴下やタイツを履いてから使いましょう。
上半身が冷えるとき
二の腕の外側に貼ると、寒気を感じにくくなります。カーディガンやジャケットの内側に貼るタイプのカイロを忍ばせて。