1.がんばりすぎない大掃除
「大掃除」と言うと年末にまとめてやる、という方が多いですが、実は12月はお掃除には不向きな季節。寒くて風邪をひきやすい上に、年賀状を書いたり、集まりも多かったりと、いつも以上に忙しく、お家のすべての場所をきれいにするのは大変です。住宅情報アドバイザーの藤原千秋さんに、3つのポイントに絞った、気軽にできる大掃除の進め方を伝授してもらいました。家族みんなで協力して、新しい年をみんなで気持ちよく迎えましょう。
がんばりすぎない3つのポイント
①冬にこそおすすめしたい 冷蔵庫の整理&徹底除菌!
寒い冬だからこそぜひやっておきたいのが、冷蔵庫のお掃除。気兼ねなく冷えた食材を出して掃除ができるので、冬のお掃除におすすめです。
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②家の顔である玄関をキレイにして、気持ちよく新年を迎える準備を!
元々大掃除は、新年の安泰を願い、神様をお迎えするための行事でした。一年の締めくくりとして、玄関をぴかぴかにすれば、気持ちもすっきりと新年を迎えられます。
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③さらに、気になる場所をもう一カ所お掃除しましょう!
冷蔵庫と玄関の掃除にプラスして、いつも気になっていたけれど、なかなか手がつけられなかった場所を一か所だけ選び、徹底的にきれいにしましょう。
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大掃除を始める前に 身近なお掃除のお助けアイテム
今回は、一つ用意するだけで色々な場所に使える、身近なアイテムを使ってできるお掃除方法をご紹介します。
まずは、「重曹」「クエン酸」「エタノール」、それに「スプレー容器」を用意しましょう。どれも、ドラッグストアやスーパーなどで手に入るものばかりなので、手軽に始められます。その他、家庭用手袋や、必要に応じて古いタオルやスポンジ、新聞、メラミンスポンジなどを揃えると、よりスムーズにお掃除が進められます。
重曹は弱アルカリ性の食品添加物で、胃薬などにも含まれている成分です。油やたんぱく質などを溶かす性質をもつため、特にキッチンの油汚れなどに力を発揮します。重曹の粉末は自然の研磨効果もあるので、こびりついた汚れなどをやさしく落とすのに適しています。
一方、畳や毛足の長いラグ、無垢の木などには向いていません。
■重曹の使い方
場所によっては粉末のまま使用しますが、「重曹水」を常備しておくと便利です。重曹水の作り方は、約100 mlの水に対して、小さじ1杯の重曹をスプレー容器に入れて溶けるまで軽く振るだけ。
掃除の後は水を流すか水拭きをしましょう。
クエン酸は、弱酸性の食品添加物で、水垢や石鹸カスなどの汚れをゆるやかに剥離させたり、消臭・除菌の効果があります。ただし、大理石やコンクリートには使用できません。クエン酸の代わりに酢を使う場合もありますが、酢は揮発しやすく、独特の酸っぱいニオイが漂ってしまうので、お掃除にはクエン酸のほうが向いています。
■クエン酸の使い方
場所によっては粉末のまま使用しますが、「クエン酸水」を常備しておくと便利です。重曹と同様に、約100 mlの水に対して、小さじ1杯のクエン酸をスプレー容器に入れて軽く振って溶かします。
エタノールは、アルコールの一種で、水にも油にも溶けやすく、揮発性があります。殺菌作用があるので、消毒や除菌などにも効果があります。
■エタノールの使い方
きれいにしたい場所に直接スプレーして使います。エタノールスプレーは、自分でも作ることはできますが、耐久性のある容器でないと溶ける場合もあるので、市販のスプレータイプになったものを購入するのがおすすめです。
※対象物によっては、キズや色落ちが目立つ場合があるので、使用する前には必ず目立たないところで試してからご利用ください。
人体に影響がでた場合は、ただちにご使用をお控えください。
2.冷蔵庫、玄関の大掃除
冬にこそおすすめしたい 冷蔵庫の整理&徹底除菌!
冷蔵庫がなかなか整理できない原因の一つは、使わない調味料などがいつまでも入っていること。この機会に、使わないものは処分したり、早めに使いきるようにしましょう。
冷蔵庫を空っぽにしたら、キッチンペーパーや乾いた布などにエタノールスプレーを吹きかけて、汚れを拭きとっていきます。棚や卵置き、野菜ケースなど、とりはずせるパーツにこびりついた汚れがある場合は、はずして食器洗い用洗剤で洗いましょう。しっかり水分をふきとった後、仕上げにエタノールスプレーで除菌しておくと効果的です。
せっかくきれいにしても、ジャガイモや人参など、土のついた野菜をそのまま冷蔵庫にしまうと、たちまち雑菌が増えてしまいます。庫内に入れる前に水洗いして、ざるの上などで乾かしておき、土を落としてから入れることで、菌の増加を防ぐことができます。
忙しい人は、1日ですべてやらなくても、今日は野菜室だけ、今日はこの棚だけと小分けにしてお掃除すれば、まとまった時間がなくても大丈夫! すみずみまでお掃除できたら、脱臭剤を置くのもおすすめです。おせちなど、たくさんの食材を冷蔵庫に入れる年末年始こそ、ニオイの気にならない清潔な状態を保ちましょう。
※プラスチック製の棚にエタノールスプレーを使う場合は、目立たないところで試してから行うようにしてください。
なかには変色や変質してしまう場合もあります。
家の顔である玄関をキレイにして、気持ちよく新年を迎える準備を!
時間があれば、下駄箱の中の靴をすべて出して、他のところと同様に、重曹水を使って拭いていきます。重曹には消臭効果もあるので、下駄箱のニオイを抑えることもできます。この際、不要な靴も整理してしまいましょう。お気に入りだけど履きすぎて古くなったもの、まだきれいだけど履きづらくて使ってないものなど、不要なものを処分すれば、来年に出会う新しい靴のスペースも確保できます。
棚が完全に乾いたら、新聞紙や包装紙などを敷いて靴をおけば、吸湿性もあり、棚の汚れ防止にもなります。新聞紙などが汚れたら、捨ててすぐに交換できるのも便利です。
下駄箱の中がすっかりきれいになったら、重曹の消臭効果が続くように、脱臭剤を置いて、ニオイにも気をつけましょう。お掃除の行き届いた玄関で、新年をすがすがしい気持ちで迎えましょう。
※大理石や御影色などはクエン酸で拭くと溶けたり、曇ったりすることがあるので、使用しないでください。
3.その他の場所のお掃除方法
さらに、気になる場所をもう一か所お掃除しましょう!
食器棚のほこり汚れは、エタノールスプレーを噴霧してキッチンペーパーや乾いた布などで拭きとると、汚れはもちろん、除菌もできて一石二鳥。清潔な状態を保てます。換気扇やガスコンロまわり、魚グリルのしつこい油汚れは、重曹を振りかけて、スポンジで軽くこすり、キッチンペーパーなどで拭きとるか、水で洗い流しましょう。思いきってたっぷり使った方が効果を実感できますが、一度に落としきろうとせずに数回に分け、油汚れと一緒にガスコンロや換気扇などの塗装が剥げないよう気をつけましょう。
洗面所やバスルームの水垢や石鹸カス、石灰化した汚れは、最初にクエン酸水をかけてスポンジや歯ブラシなどを使って、汚れを落とします。それでもとれないガンコな汚れは、重曹を振りかけて研磨するようにしながらとります。2~3ヵ月使っていない化粧品やシャンプー、ボディブラシなどは、カビの温床となるので、思いきって処分してしまいましょう。
トイレ
トイレの便器や床などの汚れは、クエン酸水をかけて、ブラシや使い捨てできる古いタオル等で尿石や水垢など汚れを一掃します。それでも取りきれない便器やステンレスの蛇口部分などのこびりついた汚れは、目の細かいサンドペーパー(紙やすり)を使い、こすり落とします。
トイレマットは、洗いにくい高級なものより、手軽で洗濯しやすいものを多めに揃えておくと、普段の床掃除がラクになり、ニオイ対策にも効果があります。
寒い冬、屋外で、しかも水を使う網戸掃除は特に大変です。冬の網戸掃除アイディアとして、メラミンスポンジを使った方法をご紹介します。
網戸は、内側は繊維やほこりなどの汚れ、外側は泥や排気ガスなどで汚れています。手のひらより大きめのメラミンスポンジを用意し、バケツ1杯に対して大さじ1杯の重曹を入れたものを染み込ませ、網戸を拭いていきます。左から右へと横へ動かしながら、上から下へ、すみずみまですきまなく拭いてください。メラミンスポンジが真っ黒になるくらい、汚れがどんどん取れます。すすなどの汚れがひどい場合は、バケツに食器用洗剤を少し入れると効果的です。
リビング(床)
日頃掃除機をかけていても、リビングの床は、掃除機では取りきれないちりや服の繊維など小さなゴミで汚れています。この汚れを完全に取り去るには、雑巾で水ぶきをすること。ただの水拭きよりも、クエン酸水をスプレーしてから、水拭きした方が汚れがとりやすくなります。
表面が塗装してある場合は、重曹水を使うこともできますが、無垢の木や絨毯、ラグなどには適していませんので、使用しないでください。絨毯やラグは、普通の水やクエン酸水に浸して軽くしぼった雑巾をレンジであたためてから拭くと、表面の汚れがすっきりとれます。