お米の虫よけに唐辛子がよいことは昔から知られています。実際に、唐辛子に含まれる成分にお米への防虫効果があることがエステーの研究でも分かっています。しかし、家庭で乾燥唐辛子などを使う場合、防虫効果が十分発揮できていない可能性も。今回は、エステー研究員の剣持亮がお米の虫と唐辛子について解説します。
お米に発生する虫って、どんな虫?
お米に発生する代表的な虫には「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」の2種類います。
コクゾウムシは3ミリ程度の甲虫の一種で、象の鼻のような口をお米に突き刺して、中に卵を産みつけます。その卵がお米の中で孵化し、幼虫がお米を食べて成長していきます。
ノシメマダラメイガはその名の通り、体長約8ミリ程度の小さい蛾で、幼虫がお米を食べます。お米だけでなく、小麦粉、豆などの穀類やお菓子やインスタント食品も好む傾向があり、袋を突き破って侵入して、中身を食べてしまうこともあります。
これらの虫は、家の中の食べかすや穀類のニオイに惹きつけられて、知らず知らずのうちに屋外から侵入してきます。どの家庭でも発生する可能性があるので、しっかりと防虫対策を行うことが大切です。
唐辛子の成分に高い防虫効果あり!
こうしたお米の虫に対して、エステーでは、唐辛子の成分に高い防虫効果があることを確認しました。唐辛子には「テルペノイド系化合物」という植物由来の柑橘系の香りの成分が含まれていて、この成分が揮発するとお米の虫が逃げていくのです。そのため、唐辛子がお米の虫よけに非常に有効だという結果にたどり着きました。
しかし、市販されている唐辛子は生産地や発育条件も異なるため、どの程度防虫効果があるか見分けるのが難しいという問題があります。また、生の唐辛子は水分を含んでいるため、お米の中に入れて放置をしてしまうとカビの原因になる恐れも。
一方で、乾燥唐辛子は保存には便利ですが、乾燥させる過程で成分が揮発してしまい生の唐辛子と比べて持続時間が短いと考えられています。食料・農業・農村に関する研究開発を行っている農研機構で行われた実験では、「乾燥唐辛子の米びつへのコクゾウムシ成虫の侵入防止効果は、 1か月程度でなくなった」というデータも確認されています。
お米の虫を寄せ付けないようにするためには?
お米の虫は、温度が23度以上、湿度60%の高湿度で活発になると言われているので、温度や湿度が高くなる梅雨から夏場にかけては要注意。しっかり防虫対策を行いましょう。
お米は、袋のまま保存すると袋に穴をあけて虫が侵入してしまうので、米びつなどで保存するのがおすすめです。お米を取り出すときは、米びつに虫が入り込まないよう、素早く出し入れをしてください。
また、キッチンなどに食べかすが残っていると虫のエサとなってしまうので、お米を保存する場所はこまめに掃除をして、清潔に保つよう心がけましょう。
温度や湿度が低い冷蔵庫で米を保存している人も多いと思いますが、低温環境では密閉容器内に水分が発生して結露ができ、カビが生える原因になるので注意してください。
天然唐辛子のチカラでお米を虫から守ろう!
エステーで発売している「米唐番」は、“唐辛子”のチカラを活用したお米の防虫剤です。天然唐辛子や酒精(発酵アルコール)などすべて天然成分のため、お米にも安心して使うことができ、防虫効果が約4~8ヵ月安定して持続します。置く・さす・つるすなど、米びつだけでなく米袋にも使える自由な形状をしているものポイント。交換時期に近づくとゼリーが小さくなるので、使い終わりが分かります。