キッチンのゴミ箱やシンクの周りを中心によく見かけるコバエ。どこからか発生して、気付かないうちに食材や生ゴミの周りを飛び回っているコバエを防ぐ方法がなく、困っている方も多いのではないでしょうか。そこで、コバエが発生する原因や予防方法をエステーR&D本部の船橋一良研究員と髙畑美怜研究員が解説します。
家の中で見かける「コバエ」ってどんな虫?
コバエは、「ショウジョウバエ」や「チョウバエ」などの体長1〜5mm程度の小さいハエの総称です。多くの人には「コバエ」という呼び方で認知されていますが、そもそも「コバエ」という名前の虫はいません。
また、一般的に「ハエ」と聞いてイメージする体長6〜8mm程度の虫は、「イエバエ」と呼ばれますが、まったく種類が異なり、ハエの子どもなので「コバエ」というわけではありません。
コバエの中でも、キッチンのゴミ箱やシンク周りでよく見かけるのは、ショウジョウバエの一種である「キイロショウジョウバエ」という体長2mm程度の虫です。ショウジョウバエは、栄養分のある水がたまっている湿度の高い環境に集まりやすく、気温が15〜25℃になる春先から秋にかけて活動が活発になります。また、繁殖力が高く、メスは羽化すると3、4日程度でおよそ500個の卵を産みます。
コバエが発生する原因は?
ショウジョウバエは大変嗅覚が鋭いと言われており、数km先のニオイも嗅ぎ分けられるそうです。そのため、屋外の離れた場所にいても、好きなニオイが漂ってくれば引き寄せられて、開いている窓や網戸の目など、わずかな隙間から家の中に侵入します。もちろん、窓を開け閉めするわずかなタイミングで入ってくる恐れもあります。
なお、ショウジョウバエはあまり高く飛翔できず、地上1m前後程度が限界と言われているため、2階以上の部屋であれば窓から侵入してくる可能性は低くなります。ただし、食品や衣類についたまま家の中に持ち込んでしまう可能性もあるため、油断はできません。
ショウジョウバエは、食材が腐敗したニオイが好み。ニオイの発生元となる生ゴミや食べ残しのあるキッチンには集まりやすくなります。また、食材の発酵が進んだときに発生する「エステル」と呼ばれる香り成分にも寄ってきます。エステルは、熟したバナナやりんごなどの果物や甘い香りのする花などからも漂うため、そういった香りを発するものを置いているとショウジョウバエを引き寄せる一因となるので注意しましょう。
コバエの侵入や繁殖を防ぐポイント
ショウジョウバエの発生を防ぐためには、ショウジョウバエが好むニオイの発生を防ぎ、広がらないようにすることが一番効果的です。キッチンのゴミ箱やシンク周りを清潔に保ってください。生ゴミはこまめに、ニオイが漏れないようにポリ袋に入れて縛るなどしてゴミ箱に捨てて、食べ終わった食器はシンクに置きっぱなしにせず、すぐに洗い流しましょう。ゴミ箱も蓋付きの方が、ニオイが広がりにくくなります。また、アルコールやジュースの空き瓶や空き缶などは、飲み終わったらそのまま放置せず洗い流すようにしましょう。
また、ショウジョウバエの好きなニオイを発する食品は冷蔵庫に保存する、ビニール袋や蓋付きの容器に入れるなどして、極力密閉した状態で保管してください。また、開封した食品は、できるだけ早く使い切ることも意識しましょう。換気をして、キッチンに漂う空気を入れ替えることも大切です。ニオイがおさまればショウジョウバエも寄り付きにくくなります。
ショウジョウバエは、湿度が高く、汚れた水がある場所で繁殖します。そのため、家の中や周囲で汚れた水がたまっている場所がないかもチェックしてください。例えば、プランターを置いている人は、受け皿に水がたまっていないかを確認して、こまめに捨てるようにしましょう。ベランダにたまった雨水なども放置しないことが大切です。
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