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オフィスの衛生対策を「お掃除コンサルタント」が解説。正しく、効率のよい掃除&除菌を!

エステーが2021年6月に行った調査では、オフィスに勤務する人の6割以上が「職場の感染対策に不安がある」と答えました(とても不安がある14.3%+やや不安がある45.9%)。一方で長引くコロナ禍での対策にストレスを感じている人も約7割いました(とても感じている22.0%、やや感じている47.8%)。安心・安全なオフィスの環境づくりのために、正しく効率的な衛生対策が大切です。医療機関などの清掃を手がけ、さまざまな施設などへの指導も行っている「健康を守るお掃除コンサルタント」松本忠男さんに、無理せず継続できるオフィスの衛生対策のポイントを聞きました。

オフィスの衛生対策の基本を抑えよう

まずは、基本となる考え方を理解しておくと、正しく効率的に対策がとれるようになります。

外からリスクを持ち込まない

出社時や外出からの帰社時、菌やウイルスをオフィスに入れないことが重要です。具体的には、手洗いと手指消毒が有効な対策となります。

家に帰れば、まっ先に手洗いをする人が多いでしょう。では、オフィスに出社したときに手を洗っていますか?
エステーの調査では、出社時に手洗いしている人は約半数でした。アルコールなどで手指消毒していれば、手洗いは必要ないと考えがちですが、それは間違い。石けんで手を洗うことで、汚れと一緒に菌やウイルスを除去することができ、より確実な衛生対策となります。

ドラマや映画で、手術前の外科医が入念に手を洗っているシーンをみたことはありませんか。医療機関では洗浄→消毒が常識で、消毒だけで衛生対策を済ませることはありえません。それほど、手洗いは重要な衛生対策なのです。

オフィス内のリスクの高い場所を知る

菌やウイルスは人の移動や空気の流れとともに、オフィスの中を移動しています。菌やウイルスが集まりやすい場所と、そうでない場所があるのです。

リスクの原因は「密」「油断」「風下」です。

オフィスにより事情は異なりますが、人が集まり、会話が多い会議室は「密」になりやすく、リスクが高くなりやすい場所と言えるでしょう。また、ちょっと一息するような給湯室や喫煙室、共有の食事スペースなどでは気が緩みやすく、やはりリスクが高くなります。
こうした場面で、ソーシャルディスタンスやマスク着用などリスクを下げる対策は当然ですが、菌やウイルスを移動させない発想も大切です(詳細後述)。

また、換気は風向きを考えることが重要。空気が流れてくる風下はリスクが高いことを知っておくと、衛生対策に役立ちます。
たとえば、エアコンは部屋の空気を吸い込み、冷たい空気を出しています。ウイルスを含むエアロゾル(空気中に浮遊する液体や固体の粒子と周囲の気体との混合物)も一緒に循環しており、エアコンの風が直接あたるところは比較的リスクが高いのです。

自分のリスクは自分で回収する

自分が感染症にかかっていることを想定し、自分の菌やウイルスを周りに広げないようにする行動が大切です。

基本的なことですが、フリーアドレスのデスクや休憩所、会議室など共有スペースを使ったら、次の人がリスクにさらされないよう、除菌作業を行ってから立ち去りましょう。

また、自分が感染している場合、デスクは感染源になります。物や書類で散らかっていると、他の人が触れる可能性が高まるので要注意です。デスクの上にはできるだけモノを置かずにきれいにしておけば、除菌作業もしやすいもの。整理整頓も重要な衛生対策なのです。

また、昨今ではペーパータオルやマスクなどのゴミが増えています。トイレのハンドドライヤーがなくなり、山盛りになったゴミ箱を見る機会は多いのではないでしょうか。
ゴミの捨て方を工夫して、トイレを共有する人やゴミを処理する人のリスクにも配慮したいところです。

ウイルスや菌を「正しい掃除」で取り除く

除菌さえしていれば安心と思いがちですが、アルコール除菌剤は、除菌やウイルスを除去することはできますが、物理的に取り除くことはできません。病院などの医療現場では、除菌する前にかならず洗浄(掃除)を行い、菌の絶対量を減らします。

菌やウイルスはチリやホコリ、皮脂など小さなゴミや汚れに混ざって生きています。オフィスでは除菌する前に掃除もセットで行うことが重要です。元から断ってリスクを下げましょう。
反対に言えば、掃除が正しくできてさえいれば、それだけで感染へのリスクは大きく下げられるのです。

オフィスの掃除&消毒8つのポイント

次に、間違いがちな行動やより効果的な方法など、正しい衛生対策のポイントをお伝えします。

1.ふきんなどの使いまわしは避ける

布や紙で拭き掃除をすると、その表面に菌やウイルスが付着します。同じもので別の場所を拭くと、菌やウイルスを広げてしまう可能性があります。
共有スペースの拭き掃除はペーパータオルの利用をおすすめします。

2.拭き掃除は一方向に。「ゴシゴシ拭き」、「グルグル拭き」はNG

拭き掃除によって、菌やウイルスを広げてしまうことがあります。往復に拭く「ゴシゴシ拭き」や円を描きながら拭く「グルグル拭き」は、一度拭き取った菌を別のところに広げてしまう可能性があるのです。
まずは乾拭きしてから、その後別の布や紙に除菌剤をつけて、一方向に拭いていくのが正しい拭き掃除です。

3.手洗い→手指消毒の順番で

外からオフィスに入るときは、手指消毒だけではなく、手洗いすることが確実な衛生対策。よく聞かれるのはその順番ですが、まずは手洗いで汚れを落とし、それから消毒するのが正解です。手指消毒は指先がおろそかになりがちなので、隅々まで消毒液をつけるよう注意しましょう。

4.風向きを考えた換気を

部屋の2方向を開けて風の通り道を作り、風下やエアコンの下にはできるだけ席を置かないようにしましょう。扇風機を窓際に置き、外に向けて回すと、室内の空気をより効率的に入れ替えられます。

5.紙ゴミはコンパクトに、マスクは袋に入れて捨てる

ゴミ箱があふれてしまわないよう、ペーパータオルなどはできるだけコンパクトに畳んで捨てましょう。むき出しのマスクは感染源になるので、ビニール袋などに入れるのがベター。

6.アルコール入りの除菌剤は高濃度のタイプがおすすめ!

さまざまな「除菌剤」がありますが、中にはアルコール濃度が低く、十分な効果を発揮しないものや科学的なエビデンスがないものも。アルコール濃度の高い除菌剤を選ぶのがおすすめです。

7. 「抗菌・抗ウイルス」アイテムをかしこく活用しよう

「抗菌・抗ウイルス」」とは持続的に菌やウイルスを抑制すること。菌が住みにくい環境をあらかじめつくり、菌やウイルスの増殖を防ぎます。「抗菌・抗ウイルス効果」のあるアイテムなら、都度除菌作業ををしなくても、効率的に衛生対策できます。

8.リスクの高い部屋を「出る」ときにも消毒する

公共の施設では、入るときに消毒液を使うことが当たり前になっています。オフィスでは、ときに考え方を変える必要があります。
オフィス内でもリスクの高い会議室などでは、部屋を出るときに手指消毒してください。手についた菌やウイルスを、他の場所に広げることを防ぐためです。

持続的な衛生対策を

衛生対策というと、特別なことをたくさんしなければならない、というイメージがあります。しかし、松本さんがオフィスの衛生対策をみると、「これはやらなくても良いのでは?と思うこともたくさんある」と言います。

前述のとおり、乾拭きするだけでも効果はあります。手の届きやすいところにペーパータオルを置くだけで、大きな前進です。

効率的な衛生対策という観点では、抗菌・抗ウイルス効果のあるアイテムも有効。一度塗っておけば、菌やウイルスを除去し、持続的な効果を発揮してくれます。特にドアノブや手すり、共有スペースのテーブルなど不特定多数が触れる機会が多い場所におすすめです。

正しい知識を元に自社のオフィスの環境を考えれば、ポイントを絞った対策ができます。完璧を求めず、無理のない行動の積み重ねでリスクを下げていきましょう。

ガイドブック公開中!
「ニューノーマル第2章 オフィスの衛生対策はルールから思いやりへ」

オフィスでダウンロードできるポスター公開中!
「ニューノーマル第2章の衛生対策 オフィスの思いやり」

こちらもご覧ください!
「コロナ禍の不安や不満を解消し、オフィスの空気をかえよう。人間関係をよくする心のテクニック」

抗菌・抗ウイルスアイテムを活用しよう

多くの人が触れるオフィスのドアノブ、机、エレベーターのボタンなどには、特に抗菌・抗ウイルス効果のあるアイテムが活躍します。「Dr. CLEAN⁺(ドクタークリーン)」は、除菌・ウイルス除去効果が約1カ月間持続します。菌やウイルスの不安から守るとともに、日々の除菌作業への負担を軽減してくれるアイテムです。約760回使用できるスプレータイプと便利なクロスタイプがあります。

松本忠男さんプロフィール

健康を守るお掃除コンサルタント

フロレンス・ナイチンゲールの著書「看護覚え書」に共感し、35年間、病院の環境衛生に携わる。
東京ディズニーランド開園時の正社員、ダスキンヘルスケア(株)を経て、亀田総合病院のグループ会社に転職し、清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、(株)プラナを設立。
亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40人の清掃スタッフを指導・育成し、これまで現場で育ててきた清掃スタッフの総数は700人以上。現場で体得したコツやノウハウを、多くの医療施設や清掃会社に発信する。
2019年1月からは、中国の深圳市宝安区婦幼保健院(1000床病院)の環境整備を指導するなど、活動の場は海外にも広がる。
(株)プラナ代表取締役社長、ヘルスケアクリーニング(株)代表取締役社長。