

「気分が上がる」クローゼットは「余白」がある

著書のタイトルにもあるとおり、以前は昼田さんのクローゼットにも1000着もの衣類が収納されていました。ぎゅうぎゅうの収納環境に、漠然としたストレスは感じていましたが、「クローゼットとはそんなものだと思っていた」と昼田さん。ファッション編集者という仕事柄もあり、たくさんの洋服を持っていることが喜びであり、ステータスだったそうです。
ところが、フリマアプリの楽しさを知ったことで、昼田さんは断捨離に目覚めました。現在、クローゼットの衣類は年間を通して22着。以前のようなストレスはなく、まさに「気分の上がるクローゼット」を実現しています。
最適な収納は個々のライフスタイルにより異なりますが、共通するポイントとして昼田さんは「余白」を挙げます。「気分が上がる」とは、シンプルに「自分にとって不快なモノ、コトがない」こと。使いやすく整っているだけでなく、空間をコントロールできている、好きなものだけがある、と自信を持てる環境が大切です。
ぎゅうぎゅうのクローゼットは、「仕事や生活のタスクがあふれ、頭がいっぱいいっぱいな状態と同じ」と昼田さんは言います。クローゼットの余白は、心の余裕を生み出すものなのです。 また、クローゼットに余白がないと、空気が循環せずクローゼットの中に湿気が溜まりやすくなります。掃除がしづらく、汚れやニオイもたまりがちに。断捨離を経た余白のあるクローゼットは、風通しがよく、湿気やホコリがたまりにくく、掃除もカンタン。さっと掃除機をかけたり、ホコリを拭き取るなど、日常のなかで手軽に掃除ができるようになります。
余白を生み出す「断捨離5カ条」

「クローゼットは人生の縮図」と断言する昼田さん。クローゼットはふだん家族の目につかず、「自分のための空間」の性質が高いため、性格や生き方が反映されると言います。それだけに、手入れが後回しになりやすい空間でもあります。
断捨離は、自分と向き合う行為であり、クローゼットに余白を生み出す一歩です。洋服を買うときは、「インフルエンサーが薦めていたから」「トレンドだから」「異性ウケが良さそうだから」と、他人の視点が入りがちですが、手放すときは自分だけ。「昔似合っていた」「思い出がある」「値段が高かった」など過去との決別も含め、「今の自分」を見つめ直し、本当に心地よいモノだけを残すのが、気分が上がるクローゼットを作る断捨離の考え方です。
昼田さん流の断捨離の心得をご紹介します。
一、その服は本当に自分で選んだのか?
流行や周囲の目にとらわれていないでしょうか? 今一度、自分自身に問いかけましょう。
一、その服は今の自分に必要か?
「着なくなった服だけれど、高かったから捨てられない」。気持ちはわかりますが、過去に縛られている証拠です。今の自分だけ見てください。
一、その服を着て不快ではないか?
サイズや肌触りなど着心地が悪いと感じながら、着続けている服はありませんか? 本当に心地よい服だけ残しましょう。
一、服選びにストレスがないか?
人は選択肢が多すぎると、選ぶこと自体にストレスを感じます。たくさんある服が気分を下げる原因になっているかもしれません。
一、自分を後回しにしていないか? 収納は自分のための大事なスペース。不満や不快な気持ちを放置せず、積極的に手入れすることが、自分を大切にすることにつながります。
「すぐ使える」「愛でる」から考えるクローゼット
「自分が心地良い」ことを何より大切にする昼田さんは、細かい収納ルールで、自分を縛ったりはしません。代わりに「すぐ使える」「愛でる」を、クローゼットづくりのポイントに挙げます。
「すぐ使える」クローゼット
細かいルールは不要でも、保有しているアイテムや収納空間の広さ、生活スタイルを考慮した収納づくりは大切。すぐに着用できる状態で衣類を収納することが、毎日の生活をスムーズにし、気分を上げる秘訣です。
例えばシワになりやすいパンツは吊るしたほうが使いやすいですし、デニムなどシワが気にならないアイテムが多ければ、空間を有効活用できるたたみ中心の収納が向いています。

「愛でる」クローゼット
お気に入りの一着一着が、クローゼットで輝いて見える状態をつくると、気分が上がります。目指すべきは、開けるたびに楽しくなる「ショップのような」クローゼットです。
昼田さんは「服は人が着ている状態が一番美しい」と断言します。そのため、お気に入りの衣類は吊るして収納するのがおすすめです。昼田さんは「持っているアイテムの中でも、一番自分らしいと思う」シャツとパンツを中央に、オンシーズンの洋服を利き手の右手側にかけています。
さらに昼田さんは、ハンガーにこだわります。ハンガーがバラバラだと収納空間に「不協和音」が生じる原因になるそうです。服の形がきれいに見えるハンガーを吟味し、素材やカラーを統一してみてはいかがでしょう。

香りでさらに自分好みのクローゼットへ
「愛でる」クローゼットを作る上で、もうひとつ重要なのが「香り」による空間の演出です。
昼田さんはリビングや寝室と、クローゼットをお気に入りの香りで統一しています。毎日開けるクローゼットは単なる収納ではなく、「気持ちを落ち着けたり、リセットしたりする」空間にもなりえます。視覚だけでなく嗅覚も合わせてクローゼットを愛で、大好きな服をもっと好きになる―—そんな時間が、暮らしを楽しくし、充実させてくれるのです。

まとめ
「気分が上がる」クローゼットの絶対条件は、余白があること。昼田さんがそうであったように、増えすぎた服を断捨離することで、収納空間が使いやすくなるだけでなく、心のゆとりがうまれます。さらに、服の見せ方や香りにこだわれば、開くたびに楽しい自分のための空間が完成します。ぜひ、「使いやすい」×「愛でる」を実践して、理想のクローゼットを作ってください。
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