1.冷え症タイプの見分け方
手足が冷たいのか、全身が冷えるのか
冷え症には大きく分けて、血管が過度に収縮することで手足が冷えてしまう「血管収縮型冷え症」と、血管が拡がりすぎていることで体温がどんどん逃げてしまう「血管拡張型冷え症」の2種類があります。
寒い場所で体が冷えるのは当たり前。ですから、常温の室内で、どんな冷え方をしているかチェックしてください。
手足が冷えていれば「血管収縮型冷え症」、手足の冷たさはさほどでもないのに全身が寒く感じるなら「血管拡張型冷え症」の可能性が高いでしょう。
手足が冷える「血管収縮型冷え症」
一般的に「冷え症」と呼ばれるのは、「血管収縮型冷え症」です。冷え症の中で7割以上はこのタイプ。特徴は、室内でも手足が冷えること。(手足などの)末梢血管の血行不良や、セルライトなどが原因とされています。セルライトは、血行不良によって不要な水分や「老廃物」が脂肪細胞に付着し、かたまりとなったもの。セルライトはリンパの流れも阻止してしまうので局所的に血行が悪くなるのです。
頭やお腹に血液が留まってしまうため、手足にまで届きづらく、冷えの原因となります。
全身が寒い「血管拡張型冷え症」
あまり知られていませんが、近年増えているのが「血管拡張型冷え症」です。特に、男性にも増えているそう。ストレスなどによる自律神経の乱れが原因で、常に血管が拡張しており、体温が奪われていきます。
とにかく寒いので、真夏にジャケットを着ても何ともなかったり、冬には体中に10枚以上使い捨てカイロを貼ったりするケースも。また、寝るときに電気敷き毛布と電気掛け毛布に挟まれている人もいるそう。これでは、ますます体温調節ができない体になってしまいます。
2.血管収縮型冷え症の対策
血管が収縮することで手足が冷えるこのタイプ。実は手足を温めてもあまり効果は期待できません。正しい対策で、体質改善を目指しましょう。
体の中心に血液が留まってしまうのが原因
血管収縮型冷え症は、頭とお腹に血液が留まってしまい、手足にまで血液が十分に届いていません。体質を改善するには、集まっている血液を体の抹消まで流してあげる工夫が大切です。そのために、冷えている手足を温めるのではなく、お腹など体の中心を温めましょう。
エクササイズ
内臓に近い筋肉、インナーマッスルを鍛えると有効です。鍛えると言っても、難しいことはなし。お風呂上りなどにかんたんな体操をすればOKです。下記の「からだポカポカ体操」を毎日やると効果的。回数は目安なので、負担にならない程度に。
1. 考える人
椅子に浅く座り、左ひじと右ひざを近づけます。ロダンの「考える人」のようなポーズですが、背筋は延ばすのがポイント。左右を変えて20回ずつ。
2. タケコプター
足を肩幅に開いて立ち、両腕を左右にまっすぐ伸ばして左右どちらかにゆっくりとねじります。顔は正面のまま。ねじり切ったところで5秒停止しましょう。左右5回ずつ。
お腹を温める
血液を体の末端まで流すには、お腹を温めるのが効果的。腹巻や使い捨てカイロを利用しましょう。使い捨てカイロは、お腹と背中で挟むようにして貼れば、ばっちり。おへその下に指を2~3本分を開けて貼り、体を挟むようにその真後ろに貼ります。体の中心を温めることにより、血液が体の外側へ循環していきます。
ずっと温めていると、お腹の血液を抹消に流しやすく体質が改善されていきます。
食事で温める
食事にも気を付ければ万全です。からだが温まる食材は、ニンジンやゴボウ、レンコンといった根菜類。また、ニンニクやネギ、ニラといった香味野菜もよいでしょう。もっとも簡単なのは、みそ汁にショウガのすりおろしを入れるだけ。器に盛ってからチューブのショウガを入れるだけでも効果があります。
3.血管拡張型冷え症の対策
いつも体中が寒いのは、血管拡張型冷え症かもしれません。このタイプは、使い捨てカイロや電気毛布などをやみくもに使っても逆効果になる場合も……。適切な対処で、効果的に温めましょう。
ストレスなどが原因で自律神経が麻痺
ストレスなどにより自律神経が麻痺していることが原因なので、根本的に治すためには専門家に相談したほうがよいでしょう。まずは、効果的な温め方を知っておきましょう。
通常の防寒対策に加え、首、お腹、足先を冷気から守る
とにかく冷気から身を守りましょう。温めるポイントは、首とお腹、足先の3か所。マフラーや腹巻、厚手のソックスなどを活用して、体温を逃がさないようにします。ソックスの重ね履きは効果的ですが、多くても2~3枚程度に。それ以上になると、関節が固くなってしまい逆効果になります。使い捨てカイロを貼るなら、全身ではなく首元とお腹、足先の3か所にしましょう。過度に温めすぎると体温調節ができなくなり、体質が悪化してしまう恐れもあります。
座るときにはクッションをお腹に
ちょっとした習慣でも、お腹の冷えを避けることができます。例えば、電車の中で座るときには必ずバッグをお腹の前に置いたり、自宅で座るときにはクッションをお腹にあてたりします。じっとしていると冷えやすいので、注意しましょう。
お風呂で関節をよく動かす
これはどちらの冷え症タイプでも共通ですが、関節が硬くなると血行が悪くなってしまいます。そのため、お風呂に入った時に、湯船につかりながら足首や手首など、関節をよく動かしましょう。
また、お風呂以外でも足の指でじゃんけんをするのもおすすめ。左右別々に、グー、チョキ、パーを10回ずつ。足指の血行が促進されます。