1.栄養満点!お米のパワー
バランスよく栄養が摂れるお米は、夏バテの救世主
夏でもおいしいお米を選ぶ3つのポイント
「夏はごはんが食べにくい」という方ほど、鮮度が高く、好みに合ったお米を吟味したいところです。
新鮮なお米は粒の透明度が高いもの。古くなったお米は表面が酸化して、白く濁っています。まずはお米袋についている窓から、中の様子を見てみましょう。また、袋を振ってみて、窓に白い粉のようなカスがついたら、お米が古くなっている証拠です。
2.パッケージの精米日を確認
精米のあと、お米は少しずつ劣化していきます。気温の高い夏は、特にそのスピードが速まります。パッケージを確認して、できるだけ精米日の新しいものを選びましょう。
3.自分の好きなお米を探す
粘りが強くて甘い「こしひかり」や、さっぱりしていてやわらかい「ひとめぼれ」、もちもち感が特徴の「ミルキークイーン」など、一口にお米といっても味わいはさまざまです。自分の好きな味を探してみてください。
お米屋さんやお米マイスターに相談してみよう
普段はスーパーでお米を買っている人も、たまには品揃えの豊富な専門店を訪れてみてはいかがでしょうか。「お米マイスター」などの資格を持つプロなら、選び方や調理、保存などのさまざまな知識を持ち、おいしい“お米ライフ”をサポートしてくれます。
お米マイスターのいるお店は、「お米マイスター全国ネットワーク」から
2.基本の炊き方と夏レシピ
同じお米でも、炊き方次第でおいしさがまったく変わります。プロの炊飯手順を一からご紹介。食欲が落ちても食べやすいパワー満点のお米レシピも!
意外と知らない基本の炊き方
夏はそうめんなどで簡単に食事を済ませてしまいがちですが、しっかりパワーを付けるなら栄養バランスの優れたお米を食べたいところ。ちょっとしたポイントを押さえるだけで、ごはんはぐっとおいしく炊けます。
1.計量
ベストな水加減にするためにも、お米の計量は大切。平らな場所でカップをならし、米粒の隙間を埋めて、しっかりすり切りをしましょう。
2.洗米
乾燥したお米は、最初に出会うお水をもっとも吸収します。最初に洗う水はできればミネラルウォーターにしてください。硬水で炊くと硬くなるので、軟水を使うのもポイント。洗米は旨みまで落としてしまわないよう、手早く優しく。
3.水切り
洗ったお米は5分程度ざるに上げて、軽く水を切りましょう。時間をかけすぎると乾燥し、ひび割れの原因に。気温が高い夏は、早く乾くので3分で充分です。
4.浸水
浸水は、炊飯の重要なポイント。お米に水を吸わせることでデンプンが分解され、糖が生まれておいしく炊きあがるのです。夏場は30分、冬場は1時間が目安。ちなみに、水分を多く含んでいる新米は水が入りづらいので、2時間程度じっくり浸すとよいでしょう。
なお、夏場のタイマー設定には注意が必要。夜の炊飯予約を朝セットすると、日中に温度が上がり、変色や風味の劣化が進む恐れがあります。できるだけ直前にお釜をセットしたいところです。
5.蒸らし
炊きあがったら蓋を開けずに一度スイッチをオフにし、15分間蒸らしてから保温スイッチをオン。水が充分に行き渡り、時間が経ってもみずみずしいごはんが楽しめるうえ、変色もしづらくなります。
炊飯器によっては「浸水/吸水」や「蒸らし」の機能を備える製品もあるので、取扱説明書を確認してみましょう。
6.ほぐし
しゃもじで十字に切り込みを入れ、1/4ずつ底から持ち上げて、切るようにほぐします。空気に触れさせることでごはん粒の表面に膜が張り、一粒ずつがピンと立っておいしく仕上がるのです。また、炊きあがったごはんは、お釜内の場所によって味が均一でない場合も。炊飯時に蒸気の通り道となる中心部は、負荷がかかりやすく、他よりも少し風味が落ちてしまうことがあります。しゃもじでよくほぐすことで、そんな味のブレがなくなるのもうれしいところです。
プラスαのワザ
水加減をするとき、お米1合に対してにがりを1~2滴加えると、にがりのマグネシウムが、お米の旨みを増してくれます。また、氷を入れるのも手軽でおすすめ。お釜の中の温度を下げることで、炊飯時にお米の消化酵素が働く時間を延ばし、甘みや旨みを引き出せます。
夏バテ防止におすすめのレシピ
ウーロン茶漬け
お米をさらりと食べられるウーロン茶漬けは、消化もよく夏バテ防止にもってこい。冷やしたごはんのデンプンは、体内に吸収されにくい性質へ変化するため、代謝されやすいのもポイントです。ダイエット中、小腹が空いたときの夜食にも向いています。
鮭ときゅうりのさっぱりおにぎらず
近ごろ話題の「おにぎらず」。夏には、お酢とゴマで味付けしたごはんに、ななめに薄切りしたキュウリと鮭のほぐし身を加えた、澁谷さんオリジナルのおにぎらずなどいかがでしょうか? さっぱりした口当たりで、あまり食欲がなくても手が伸びるはず。お酢の殺菌効果でごはんが劣化しにくいため、お弁当にも安心です。
3.お米の保存と虫を防ぐコツ
意外に見落としがちですが、正しく保存するのも、お米をおいしくする大きなポイントです。いやなお米の虫の被害も、しっかり防ぎたいところ。
夏のお米保存は、鮮度と虫に気をつけて
また、夏の保存で注意したいのが、なんといっても虫の発生です。虫は、保存方法が悪ければどんなお米からも発生する可能性があります。15℃~34℃が虫の活動しやすい温度なので、気温が上がる春から夏はお米の防虫対策が必須なのです。ただし、気密性の高い現代の家は冬でも暖かく、虫が発生することもあるため、一年を通して注意するといいでしょう。
押さえておきたい保存のコツ
1.15℃以下をキープする
お米の酸化や虫の発生を防ぐには、冷蔵庫の野菜室や涼しい場所など、15℃以下の冷暗所で保管するのが基本。キッチン周りはコンロや家電で温度が高くなりやすいので、保存にはあまり向いていません。
2.湿気にふれさせない
湿った空気に触れるのは、酸化の大きな原因です。お米袋には小さな空気穴がたくさんあけられているので、買ってきたままではすぐに劣化します。食品保存袋や米びつ、蓋の閉まる容器などに入れ替えてしっかりと密閉しましょう。湿気が多いシンクの下で保存するのは避けてください。
3.保存容器はきれいにして、継ぎ足さない
お米につく虫は、米ぬかが大好き。保存容器のお米を使い切ったら継ぎ足しをせず、きれいに洗ってしっかり乾かしてから、新しいお米を入れてください。
4.防虫グッズを使う
わかっていても、限られたスペースで温度や湿気の管理を徹底するのは難しいもの。専用の防虫グッズ「米唐番」などを上手に併用しましょう。
炊いたごはんの賢い冷凍術
炊いたごはんは、デンプンが熱で変化しているため、もちもちおいしく仕上がっています。その変化が収まる前に冷凍するのが、おいしく保存する鉄則。あら熱を取ったらラップに包み、さらにアルミホイルでくるんで素早く冷やしましょう。