悪臭や気になるニオイを消す方法は、主に5つあります。ちょっと難しく感じるかもしれませんが、なるべく分かりやすく、それぞれをご紹介しましょう。
1. 化学的消臭
悪臭成分を化学反応によってニオイのない成分に変えてしまう方法です。その化学反応には、酸性とアルカリ性の中和反応や、ニオイ成分の化学的特性を利用したものなどがあります。身近なものでは、重曹やクエン酸などが「化学的消臭」の効果を持っています。
2. 物理的消臭
悪臭成分を取り込んで取り去ってしまう方法です。身近な例では、「炭」。冷蔵庫の脱臭剤に良く使われる備長炭、活性炭などですね。いろいろな悪臭成分を取り込んで放さない作用を持っています。
3. 感覚的消臭
いい香りを使ってイヤなニオイを感じないようにする方法です。これには2つの方法があります。
1つ目は、「マスキング法」と呼ばれるもので、強い香りで悪臭を覆ってしまい、感じにくくする方法です。しかし、強い香りは人によって好き嫌いが分かれることがあります。
2つ目は、「ペアリング消臭」と呼ばれるもので、現在の消臭芳香剤の主な技術として使われています。これは、悪臭をいい香りの一部分として取り込んで、調和したいい香りに変える方法です。悪臭を香りの一部にできる特別な香りを使用します。この方法なら、マスキング法のような強い香りは必要なく、軽くてさわやかな香りで気になるニオイを消臭できるのです。
4. 生物的消臭
トイレのニオイや、生ごみ臭、体臭などは、主に雑菌が生み出すニオイ。この悪臭を作り出す雑菌が繁殖しないようにして、悪臭の発生を抑える方法です。
例えば、除菌剤などを使用して、悪臭を発生させる雑菌自体を除去したり、抗菌性のある香料を使用して、菌を発生しにくくする方法などがあります。
5. レセプターブロック消臭
鼻の奥には、約400種のニオイを感じとる臭いセンサー(レセプター)があります。レセプターブロック消臭技術とは、臭いセンサー(レセプター)に香り分子が先回りすることで、イヤなニオイを感じる前にブロックし、いい香りだけを感じる消臭技術です。
ちなみに、多くの消臭芳香剤は、1~5の中から複数の消臭法をあわせて使うことで、消臭効果をアップしています。特に3のペアリング消臭は、いわゆる悪臭から複合臭まで広く効果を発揮できる方法です。
複合臭については「きちんと掃除をしているのに、イヤなニオイがとれません。何が原因なのでしょうか?」へ。
※本記事は、2013年4月に公開した内容の一部をリニューアルしています。