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大切な服をカビから守りたい!今日からできる毎日の予防と対策

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クローゼットから久しぶりに出したニットやバッグに、白や黒のポツポツとしたシミがついていることはありませんか。もしかしたら、汚れではなくカビかもしれません。衣類に生えてしまったカビは、大量に胞子をまき散らしています。そのまま着用していると呼吸器に入り、健康被害を起こす可能性もあり体への影響も心配です。クローゼットの中で発生するカビについて、特定非営利活動法人カビ相談センター理事長の高鳥浩介さんに伺いました。

衣類や小物に生える代表的なカビの特徴は?

タンスやクローゼットにしまってある衣類や小物に生えるカビには、どんなものがあるのでしょうか? 細かい種類はたくさんありますが、代表的なものとして「アオカビ」「クロカビ」「コウジカビ」が挙げられます。なお、「シロカビ」という名前を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、色が白いものをそう呼ぶことがあるだけで、「シロカビ」というカビは存在しません。

「アオカビ」が繁殖したものは青緑色や青色をしており、白っぽく見えることもあります。ある程度の乾燥にも強く、タンスやクローゼット内の湿気がさほど高くなくても生えることがあります。

一方、湿気の多い場所に生えるのが「クロカビ」で、クローゼットの中の湿度が高かったり、衣類を湿った状態にしておくと、黒くポツポツと生えることがあります。

「コウジカビ」も衣類に生えることがあります。「アオカビ」同様に、比較的乾いた場所でも発生します。季節の変わり目に温度や湿度が変わる頃、皮革製品などに生えやすく、黒や青などの色をして糸状に広がるのが特徴です。

カビが発生する条件は、温度や湿度、エサとなる皮脂やホコリがあること

カビが発生しやすい温度は、私たちが快適に過ごせる20度台。つまり春や梅雨時、秋に発生しやすくなります。ただし冷暖房が整っている現代は、いつでもカビが発生しやすいといえます。また、湿度が高くなるとカビが活性化する原因になります。室内に結露が発生するとカビも発生する可能性があり、冬でも注意が必要です。

クローゼット内の衣類や小物に生えるカビは、ホコリや皮脂も原因となります。ホコリはカビが付着した状態で空気中を舞っていることが多く、ホコリが溜まる場所はカビの温床です。また、衣類を着用したり、バッグなどの小物に手が触れたりすると、汚れや皮脂が衣類や小物に付着します。ホコリや汚れ、皮脂はカビの餌になります。素手で触れたバッグをクローゼットの中にしまうと、そこからカビが生えるのは皮脂が原因の場合が多いのです。

カビが生えやすいのは、人工の化学繊維よりも綿やウール、皮革など天然素材のものです。使用頻度が低く、クローゼットにしまったままの皮製品や衣類などには、特に気を付けましょう。

こんなシーンに注意! カビが生えやすい習慣は?

1:着用後の服をそのままタンスやクローゼットにしまう

服を着たあとに、ホコリや汚れが付いたままクローゼットにしまうと、カビやカビのエサとなる汚れも一緒にクローゼット内に入ってしまいます。

着用した服はできるだけ洗濯してからしまいましょう。毎回の洗濯が難しいものも、衣類用ブラシなどでホコリを払ってからしまい、数回着用したらクリーニングに出すことをお勧めします。

また、タンスやクローゼット内にホコリがたまるとカビが増える原因になるため、こまめに掃除をしましょう。

2:タンスやクローゼットにものを詰め込みすぎる

タンスやクローゼットにぎゅうぎゅうにものを詰め込んでいると、湿気がこもりがちでカビ発生の原因になります。間隔をあけて収納するようにしましょう。

クリーニングから返却された際、クリーニングカバー(ポリ包装)に入れっぱなしにしておくことも、クリーニングカバー(ポリ包装)の中に湿気を溜めてしまうことになるのでカビ発生の原因となります。クリーニングカバー(ポリ包装)を外してから収納しましょう。

乾燥に強いカビも、湿度が60%以下の場所では活動できません。湿気がこもらないように除湿剤を利用するのもお勧めです。

3:洗濯機に詰め込みすぎて洗っている、洗濯槽を放置している

洗濯機で洗う際に洗濯物を詰め込みすぎると洗濯機がしっかり回らず、汚れや皮脂が落ちにくくなります。洗濯物の量は説明書どおりにとどめましょう。また、洗濯槽に汚れやカビが溜まると、それが衣類に付着してカビが生える原因に。また、濡れた洗濯物を洗濯機内に放置したままにしていると、さらにカビが増える原因にもなります。

定期的に洗濯槽クリーナーを用いて洗濯槽をきれいに保ちましょう。そのうえで、洗濯したらできるだけ早く、乾きの良い場所に干しましょう。

衣類に生えてしまったカビを除去するには?

衣類に生えてしまったカビは、取り除き、死滅させて、除去する必要があります。

払って落ちるカビの場合は、衣類用ブラシなどで取り除きましょう。その後で、エタノールスプレーをかけてカビを死滅させます。デリケートな生地の場合には、使えることを確認してからスプレーしてください。

その後、洗濯機で洗えるものは、洗濯します。それでも取れない場合には、酸素系漂白剤を使って漂白します。

酸素系漂白剤で落ちないカビや皮革製品やシルクなどの洗濯できない素材の場合は、クリーニング店に相談するのがよいでしょう。

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取材協力:高鳥浩介さん

NPO法人カビ相談センター理事長・獣医学博士。元国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部長。東京農業大学客員教授。日本獣医生命科学大学獣医学部客員教授。

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