「こまめにナプキンを替えてはいるものの、特に量が多い2日目や夏場はニオイが漏れていないか心配」「トイレを使ったあと、生理独特のニオイが残っている気がする」そんなふうに生理時のニオイについて実はちょっと気になっているという人も少なくないのでは? 「山王ウィメンズ&キッズクリニック大森」院長で産婦人科医の髙橋怜奈医師に、生理やおりもののニオイの原因と対策についての疑問に答えてもらいました。
生理のニオイの原因と対策Q&A
Q.「生理のニオイが外に漏れていないか心配」という声を耳にすることがあります。生理のニオイの原因はどのようなものなのでしょうか?
A.生理の経血自体は鉄のようなニオイがする場合があるのですが、まわりを気にするほどのいわゆる「悪臭」というのは本来はないはずです。例えばトイレで下着を脱いだ際やナプキンを外した際にニオイが気になる方はいらっしゃるかもしれないのですが、ニオイが発生するのは、ナプキンをつけていることによって蒸れたり、デリケートゾーンのアンダーヘアに経血がついたままになって雑菌が繁殖するからです。特に、ナプキンを長時間つけたままにしていると高温多湿な環境が続くので、雑菌が繁殖して嫌なニオイが発生しやすくなります。
トイレで下着を脱いだときに感じるニオイ以外にも、普段の生活の中でも周りに生理のニオイが漏れてしまうのではと心配に思う方もいらっしゃいます。ですが、距離が近い満員電車の中や女性が多い職場などで生理のニオイを感じることがないことからも、生理中のニオイが服の外まで漏れることは考えにくいでしょう。
生理が原因のニオイとは異なりますが、ちょっと気をつけてほしいのが、生理ではない期間に不正出血して、ニオイが気になる場合です。原因として、クラジミア、淋菌(りんきん)などの性感染症や子宮頸がんで子宮の出口に炎症ができている場合など、病気の可能性もありますので、婦人科で診てもらうと良いでしょう。
Q.生理中、雑菌が繁殖してニオイが発生するとのことですが、対策を教えてください。
A.まずはナプキンをこまめに替えること、そして用を足した後はトイレットペーパーの使用だけではどうしても拭き残しがあったり、ゴシゴシ拭くことで摩擦が炎症の原因にもなるので、デリケートゾーン用のウェットティッシュなどを使用すると経血もきちんと拭き取れるので良いと思います。
トイレのビデ洗浄の機能を使っている方も多いかもしれませんが、刺激が強すぎると膣炎や膀胱炎の原因になる可能性もあるので、生理以外のときにも頻繁に使用するのは避けてほしいです。生理のときに経血を洗い流すという目的で使うのであれば、ニオイの対策にも良いと思います。
下着も締め付けが少なく、化学繊維のものではなく綿素材など通気性がよいものを着けるようにしましょう。最近使用している人が多い吸水ショーツも、防水力が高いものだと蒸れやすいこともあるので、様子を見ながら使うと良いと思います。
Q.日頃から気をつけたほうがいいことがあれば教えてください。
A.入浴の際にシャワーで膣内をバシャバシャ洗っていらっしゃる方もいると思うのですが、洗いすぎると膣内の善玉菌も流れてしまうので洗いすぎには注意しましょう。専用のソープなどを使って泡でやさしく洗うことを心がけてください。
Q.ちなみに、おりもののニオイが気になるという声もあるのですが、おりもののニオイについてはいかがでしょうか?
A.おりもののニオイについては気にされている方が少なくないと思うのですが、まず、おりもの自体は無臭ではありません。正常な状態であれば、ラクトバチルスという乳酸菌の一種が存在し、膣内を正常に保ってくれています。そのため、おりもののニオイは少し酸っぱいようなニオイがします。ただ、いわゆる「魚の腐ったニオイ」と表現されるような生臭いニオイがする場合は膣炎の可能性があるので婦人科を受診することをおすすめします。
雑菌が繁殖しにくい環境を作ろう
生理のニオイは、体から排出されたばかりの経血のニオイではなく、雑菌が繁殖するのが原因とのこと。ナプキンをこまめに替えたり、通気性の良い下着を着けたりなど雑菌が繁殖しにくい環境をつくることが大事です。生理が終わった後もニオイが続く場合や、普段と違うニオイがする場合は、病気なども考えられるので早めに婦人科を受診するようにしましょう。また、トイレでのニオイが気になるという人は携帯用の消臭スプレーなどを活用するのもおすすめです。
生理中の気になるニオイの対策にも
トイレに入った後に生理中の独特なニオイが残っていないか心配なときは、生理中の気になるニオイを消臭できるアイテムがあると安心。「消臭力 トイレ用 携帯タイプ」なら、音のしにくいミストタイプのスプレーなので、ニオイをこそっと消臭できます。ポーチインサイズのコンパクトな大きさなので、携帯にも便利です。清潔感のある香りで、空間と便器内のどちらにも使用できます。