洗濯物を室内で干すと、部屋干し臭やジメジメした湿気が気になるもの。できれば毎回外で干したいところですが、雨が続く日や共働きをしている家庭では、仕方なく部屋干しをしている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、室内干しのイヤなニオイや湿気を防ぐコツについて、住宅情報アドバイザーの藤原千秋さんに教えてもらいました。衣類を「洗う」「干す・乾かす」「収納する」の3ステップに分けて、大切な衣類を長く使うための方法を紹介します。
「洗う」ポイント お風呂の残り湯を使うのはNG 洗濯機は常に清潔に
部屋干し臭を防ぐには、「洗う」方法から見直しましょう。ポイントは、衣類にニオイの元になる雑菌を残さないこと。洗う際に次のことをチェックしてみてください。
・お風呂の残り湯は使わない
お風呂の残り湯には、さまざまな菌が混ざっています。洗濯物に付着するとニオイの元になる恐れも。特に、最近の速乾性が高い服は繊維が細かいため、菌が隙間に入ってしまうとなかなか取れません。洗う時だけ残り湯を使用し、すすぎに水道水を使った場合でも、雑菌が残ってしまう可能性があります。節約のためには良いですが、ニオイのことを考えると避けたほうがよいでしょう。
・特にニオイが気になる洗濯物は洗う前につけ置きを
バスタオルや部活動のユニフォームなど、いつも洗っているのにニオイが残ってしまうことがあります。ニオイが気になる場合は、除菌効果のある「塩化ベンザルコニウム」を500倍の水で薄めた希釈水につけ置きして洗濯するのがおすすめです。洗面器に小さじ1杯くらいが目安です。塩化ベンザルコニウムはドラッグストアなどで手に入ります。また、弱アルカリ性の洗濯洗剤を使っている家庭では、酸素系漂白剤を加えてあげると、除菌をしながらニオイを抑えてくれます。
・洗濯機は常に清潔に フタのゴムパッキンは要注意
洗濯機はカビや汚れの温床になります。洗濯した衣類に汚れが付着するとにおいの原因になるので、普段から清潔にしておきましょう。
洗濯が終わったら、フタを開けた状態にして乾燥させてください。また、よく見るのが、洗濯機を「脱衣カゴ」代わりにしている家庭。汗や泥がついた衣類を洗濯機に入れたまま放置していると雑菌が移ってしまいます。脱衣カゴは必ず別に用意しましょう。洗濯物は溜め込まず、こまめに洗うのが一番です。
洗濯が終わったら、フタは開けっぱなしにしておきましょう。また、洗濯槽は専用クリーナーを使って定期的に掃除をしてください。見落としがちなのが、ドラム式洗濯機のフタに付いているゴムパッキン。長く掃除をしていないと隙間に汚れがたまっている可能性があるので、確認して拭き取ってください。
「干す・乾かす」ポイント 洗濯物に風を当てて素早く乾かす
部屋干しでは、干す場所に気をつけましょう。室内に湿気がたまり、家具などが傷む原因にもなってしまいます。また、雑菌を増やさないために、素早く乾かすこともポイントです。
・「浴室乾燥機がついたお風呂場」か「一番空間が広い部屋」に干す
浴室乾燥機があればベストですが、吊るして換気扇を回しっぱなしにしておくだけでもOKです。ただし、浴室内にカビがあると、洗濯物にカビの胞子が付着してしまうので、掃除をしてから干しましょう。
浴室乾燥機がない家庭では、リビングダイニングなど、空間が一番広い部屋に干しましょう。干す際は、扇風機やエアサーキュレーターなどで、洗濯物に直接風を当ててください。濡れたままの状態が長く続くと雑菌が増えてニオイの原因になるので、短時間で乾かす必要があります。
また、部屋に湿気が溜まらないように注意しましょう。湿度計などで湿度をチェックし、60%を超えるようなら、エアコンの除湿機能か除湿機をかけてください。共働きなどで自宅を空ける場合は、タイマー機能を3〜4時間程度にセットしておきましょう。ちなみに、窓を開けて風の通り道を作ってあげれば、大雨の日でもない限りは、湿気が上がらず室内でも乾かせます。
・布団がある寝室に干すのは絶対NG
絶対干してはいけないスペースが寝室です。たまに「よく乾く気がするので寝室に干している」という声を聞きますが、それは布団が湿気を吸っているから。そのまま続けていると布団がカビだらけになる恐れもあります。同じ理由で、湿気を吸いやすい畳を敷いた和室や、本がたくさんある部屋などもNGです。
「収納する」ポイント 収納空間の湿気もしっかりケア
衣類を収納した後も油断はできません。湿気を吸いこんだ衣類をしまうと、クローゼットなどに湿気を持ち込んでしまうことに。衣類は収納する前にしっかり乾かし、収納場所の湿気対策も忘れずに。
・低い場所には湿気に強い植物繊維の衣類を収納
シルクやウール、カシミヤといった動物繊維の衣類は湿気に弱く、変色したりカビが発生しやすいため、特に注意してください。湿気は低い位置にたまりやすいので、動物繊維の衣類は高い場所にしまう方が安全です。引き出しの場合は下段には、綿や麻などの比較的湿気に強い植物繊維や、よく着る衣類を収納しましょう。開け閉めすることで空気が循環します。念のため、除湿剤を入れておくと安心です。
・クローゼットには除湿剤を入れて、ときどき換気する
クローゼットは、吊るすタイプの除湿剤を入れておくと安心です。除湿剤は密閉した状態で使用するのが基本ですが、ときどき扉を開けて換気しましょう。その際に、吊るした衣類の場所を入れ替えると、空気が循環してカビのリスクも減らせます。
洗濯槽は専用クリーナーで簡単お掃除 湿気対策も忘れずに
洗濯槽は、専用のクリーナーを使って定期的に掃除をしましょう。「洗浄力 洗たく槽クリーナー」は、カビや菌を除去してくれるだけでなく、カビ臭もすっきり消臭してくれます。雑菌の繁殖を防ぐには、月1回の使用が効果的です。
空気が循環しない収納場所には湿気がたまりやすいため、除湿剤を活用しましょう。備長炭と活性炭を配合し、湿気を取りながら、ニオイも脱臭してくれる。「備長炭ドライペット クローゼット用」や。「備長炭ドライペット 引き出し・衣装ケース用」がおすすめです。