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新米をおいしく食べたい! お米の選び方は?炊き方は?

スーパーやお米屋さんに新米が並ぶ季節になりました。せっかくの新米なら少しでも美味しく食べたいところ。そこで今回は、五ツ星お米マイスターの資格を持つ西島豊造さんに、お米の選び方から炊き方、保存方法まで、お米をより堪能するための方法を教えてもらいました。

そもそも新米と古米の違いは?

日本の新米にはルールが定められています。収穫した年の12月31日までに精米・包装されたお米が「新米」と表示でき、1月1日以降は29年産米と言い方が変わります。
今年収穫したお米の流通が始まった段階で、28年産米が「古米」となりますが、「古米」だからといって、ガクンと味が落ちるわけではありません。産地の低温倉庫で保管されていたお米であれば、品質に大差はないでしょう。
美味しくお米を食べるには、新米・古米の違いよりも正しい炊き方や保存方法の方が大切です。

ちなみに、新米の収穫・出荷時期は産地によって異なります。北海道の新米が買えるようになるのは例年9月下旬からで、東北の新米については10月上旬から、種子島や九州など暖かい産地の早生コシヒカリは7月下旬から順次店頭に並んでいきます。

おいしいお米の選び方

お店でお米を選ぶときのポイントをご紹介します。次の3点をチェックしましょう。

・チェック1 精米日

精米された状態で店頭に並んでいる米袋には、精米した日を表す「精米年月日」が記載されています。お米は精米した時から味が落ち始めますので、精米したての美味しさを楽しみたいのなら、精米日から10日程度で食べきれる量を買うのが理想です。難しくても、できるだけ早く食べる方が、美味しいお米を楽しめます。

・チェック2 お米が割れていないか

米袋の覗き窓から、割れているお米が混ざっていないかチェックしてください。お米が割れてしまっていると、水っぽくペタッとした食感に炊けてしまいます。

・チェック3 白いお米が混ざっていないか

全体や一部が白くなっている米粒が沢山混ざっていると、お釜の下側の米粒だけが潰れて炊き上がる傾向があり、のど越しが悪く感じてしまいます。

お米を美味しく炊く方法

せっかくの新米も炊き方が間違っていると味が落ちてしまいます。美味しいお米を食べるために、正しい炊き方を覚えましょう。

・お米の研ぎ方

お米は計量カップで正確に量を計ってボウルに入れましょう。なお、研ぐときは炊飯器の内釜を使っても構いませんが、長期間使っていると内釜に傷がつきやすくなるので、別の容器を使うのをお勧めします。ただし、ザルは使わないでください。米粒が網目に刺さって削れたり割れたりしてしまいます。
お米をボウルに入れたら次の順番で研いでいきましょう。

STEP1 お米をすすぐ

まずお米をすすぎますが、はじめの1回だけはミネラルウォーターか浄水器の水を使うのが理想です。米は最初に水がかかると、種を残そうという本能から一気に吸水して、二度と中から排水しなくなります。そのため、不純物が少ない綺麗な水を使った方が、炊き上がりが良くなります。すべてのお米が浸るくらい水を入れたら、軽くかき混ぜて、10秒ほどで素早くお水を捨てましょう。 
その後、同じ方法でお米をもう1回すすぎます。2回目以降は水道水でOKです。
通常は2回すすげば十分ですが、もし米粒が見えないほど水がにごる場合は、追加で1回すすぎましょう。

STEP2 お米を研ぐ→すすぐ

すすぎ終わって水を捨てたら、お米を研ぎます。ソフトボールを握るような形に指を広げて、一定のリズムとスピードで、20回程度かき混ぜましょう。かき混ぜるときは、「シャカシャカ」という音を立てるようにしてください。
研ぎ終わると、乳白色のとぎ汁がボウルの底に溜まっていると思います。STEP1と同じように、素早く水を注いで2回すすぎましょう。2回すすぎ終わった時点で、水に浸したお米が見えていれば研ぎ終わりです。水が多少薄く濁っていても問題ありません。濃く濁っていたりお米がにおう場合は、お米を研いで、すすぐ工程をもう一度繰り返してください。
今までの研ぎ方に比べると、かなり短い時間で終わるはずです。「研ぎ足りないかも」と不安に思うかもしれませんが、今は精米技術が進歩しているので、お米にはほとんどヌカが付いていません。逆に研ぎすぎると、お米にダメージを与えてしまうので注意しましょう。

・お米の炊き方

研ぎ終わったらお米を内釜に移して、ミネラルウォーターか浄水器の水を注ぎ、炊飯器のスイッチを入れましょう。最近の炊飯器は、スイッチを入れると、吸水・炊飯・蒸らしまで自動でしてくれるので、吸水の時間は不要です。また、水加減ですが、基本的に新米も古米もお米に含まれる水分の量は決まっているため、新米だからと水の量を減らす必要はありません。ただし、新米はお米が柔らかいため、炊いてみて柔らかすぎる場合は、水の量を減らすなどお好みで調整しましょう。

お米が炊けて炊飯器のブザーがなったら、すぐにふたを開けて蒸気や余計な水分を飛ばしましょう。閉めたまま時間がたつと、ふたの裏に付いている水滴がお米に落ちて、ご飯がベタつく原因になります。蒸らしは炊飯モードで自動的に終わっているので必要ありません。
ふたを開けたら、ご飯をほぐしましょう。まず、ご飯にしゃもじを刺して十字に切り、四分割します。次に、分けたご飯の1/4をひっくり返して、残り3/4のご飯の上に乗せてください。最後に、乗せたご飯の米粒を潰さないように気をつけながら、一粒ずつ切り離すようなイメージで、しゃもじを使ってほぐしましょう。残り3/4のご飯も同じようにほぐして完成です。

お米は野菜室に保存するのが理想

お米を美味しく食べるには、炊き方だけでなく保存方法も大切です。お米は呼吸をすることで劣化するので、しっかり密閉して、できるだけ空気に触れないようにしましょう。
理想の保存場所は冷蔵庫の野菜室。冷蔵庫内でも野菜室は乾燥しづらく、常温保存に比べてお米の劣化を遅らせることができます。
お米を買ってきたら、一度に炊く分をジッパー付の保存袋など密閉できる袋に小分けして、野菜室に入れておきましょう。小分けにしておけば、重い袋をいちいち出す必要はありません。冷蔵庫に入りきらない分は、しっかり密閉して常温で保存してください。ご飯を炊くときは、常温保存のお米から使うといいでしょう。

お米につく虫は季節を問わず対策を

防虫対策は、気温が高い季節だけしておけば大丈夫と思いがちですが、実は一年を通して油断できません。今はエアコンのおかげで年中室内の温度や湿度が一定なので、季節を問わず虫が発生する可能性があるのです。
保存しているお米には、「米唐番」を入れておけば安心。天然唐辛子の成分がお米を虫から守ってくれます。お米にニオイがつく心配もありません。

取材協力:五ツ星お米マイスター 西島豊造さん

五ツ星お米マイスターとして全国を駆け回り、自治体や企業とともに米のブランド化を手がけたり、商品化のアドバイスを行なったりしている。都立大学駅で西島さんが経営する「スズノブ」では、ふつうのスーパーでは手に入らないさまざまなお米を取り扱い、好みに合わせて最適なブランドを提案してくれる。

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